◇ The Beautiful Sea 〜3〜 ページ43
私は神父さんに渡された小箱から指輪を受け取った
其処には中也の瞳のような澄み渡ったブルーのサファイアがはまっている
私はそれを中也の細い薬指に嵌めた
白い肌に滑るように嵌ったその指輪は、まるで元から其処にあったかのように馴染んでいる
中也はそれを嬉しそうに見つめ、私の前に跪いた
そして私の薬指に指輪を嵌める
その指輪は中也の指輪と同じようなブルーの宝石がはまって居た
だがそれはサファイアではなくブルーダイヤ
頗る高い代物だ
中也は立ち上がって私を見た
「このダイヤの輝きに負けないぐらい、お前の人生を輝かせてやる。ダイヤみたいに傷つかない、永遠の愛を誓う。だから、俺の妻のなってくれないか?」
リハーサルには無かったその演出に、私は目を見張った
こんなキザな台詞、似合うのは中也ぐらいだろう
だけど、私も言わせてもらう
「そのサファイアよりもずっと貴重な、私の一度きりの恋を貴方に捧げます。その輝きよりずっと明るい、幸せな未来を約束します。なので……私の夫になってくれませんか?」
中也は微笑んで私のベールをそっと上げた
視界がはっきりし、中也の顔がよく見える
「それでは、誓いのキスを」
私はその声を聞きながら目を閉じた
中也の手が顎に添えられ、唇に暖かい感触
盛大な拍手が上がった
私はその唇が離れてから、ゆっくりと目を開けた
目の前では中也が今までで一番幸せそうに、笑って居た
「結婚おめでとうAくん」
披露宴に出ると首領が真っ先に声をかけてくれた
「エリスちゃんと一体何時くっつくのかと言って居たところなのだよ。君が幸せそうで何よりだ」
私は礼をした
「ありがとうございます。私達が結ばれたのも、偏に首領のおかげでございます」
すると首領ははは、と笑う
「いやいや、礼を言われるほどのものではないよ。今後とも二人仲良く、幸せに暮らしてくれ」
私がもう一度礼をして、顔を上げると首領の姿はなかった
だがその代わりに、直ぐ側に中也がいた
首に手を回され、耳に囁き声が聞こえる
「Is the sea beautiful?」
私は微笑んだ
「Yes, of course. 」
________私に溺れて居ますか?
____________________はい、勿論です
〜Fin〜
終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←◆ The Beautiful Sea 〜2〜
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
江戸川乱歩の駄菓子
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
232人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒崎雪兎(プロフ) - 千一夜の方も読ませていただいております。どの作品もとても面白いです。これからも応援しています。とても素晴らしい作品をどうもありがとうございます! (2017年4月8日 15時) (レス) id: ca4c1fbb9e (このIDを非表示/違反報告)
信乃☆(プロフ) - 天さんさん» そこまで言って頂けるとは……!本当に作者冥利に尽きるというものですね!!そういったコメントを頂けるとドン引きどころかむしろ私がテンション上げまくってドン引きされそうです……w本当にこんな素晴らしいコメントを頂きありがとうございました! (2016年12月28日 15時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
天さん - 評価1票だけじゃ足りません!なんて書けばいいか分からなくなるほど叫びました!本当に、この作品に出会えて良かったです…ありがとうございました!もっともっとこの作品について語りたいですが、ドン引き間違いなしなので、最後に、本当にありがとうございました! (2016年12月28日 13時) (レス) id: 6b9cd4fe2d (このIDを非表示/違反報告)
信乃☆(プロフ) - 莉猫さん» ありがとうございます!リクエストも受け付けておりますので何かご希望があれば是非リクエストして下さいね! (2016年12月18日 1時) (レス) id: 6e49df737f (このIDを非表示/違反報告)
莉猫(プロフ) - すごく良かったです!とても微笑ましく、ロマンティックなお話でした! (2016年12月18日 0時) (レス) id: 7c2539bb5b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:信乃☆ | 作成日時:2016年12月1日 6時