Tomorrow's Moon will be Beautiful 【中原中也】

◇３２ｂｉｔ ページ34

私は順調に潜伏ポイント、標的の自宅前の防犯カメラにたどり着いた



時計を見ると8:55



ちょうどいい時間についたみたいだ



計画としては人数の少ない上から順々に消して行く予定だ



と言う事で一番上の人物…名前は別に覚える必要もないので忘れたが、なんとかと言う国のお偉いさんだ



全く国のお偉いさんがなんで違法な武器商人の後ろ盾してるんだよ



これだから嫌になる



悪いことしてるのはマフィアだけじゃなく半分ぐらいは政府が絡んでるんだ



全くもって反吐がでる



私は標的の家をじっと見つめた



真っ黒のリムジンが家の前に滑るように到着し、中から標的が出てくる



時間は8:58



あと2分



私はこの映像を見ているであろう中也さんに思いを馳せる



ふと、あの時の事を思い出した



『好きだ。初めて会った時からずっと好きだった』



中也さんは私が憧れていた『忌月』と知った今もなお、私の事が好きなのだろうか



中也さんは憧れと愛情を同時に感じることが出来るのだろうか



もし、そうならば…



私にも、きっと出来るはずだ



これが終わったら、聞いてみよう



中也さんの、今の思いを



そう心の中で決めて息を吸い込んだ瞬間、時計が9:00を指し示した



「今は楽しもう。ゲームの始まりだ」



私は防犯カメラから降り立ち、防犯カメラにピースサインを送った



中也さんが見てるなら、飛びっきり美しく光の花を咲かせよう



私は指を鳴らして防犯カメラ以外の電気を全て奪った



目の前の家の中からドタバタという音が聞こえる



私は堂々と正面玄関をぶち破って中に入った



そして護衛の方達は弱い電気で気絶させ、一歩一歩標的に近づいていった



私が一番奥のドアを開けた瞬間銃弾が飛んでくる



殺す気満々って感じか？



私はポケットに入れたポータブルミュージックプレイヤーに手を触れてその中に入った



そして標的の背後にある防犯カメラの中に移動し、そこからカーペットの上に降り立った



「死ぬ前に言い残す事は？」



私は標的の頭に銃をピタリとつけた



標的は口をパクパクさせて護衛たちに私を撃つように命令した



「おっとそれは勘弁してよ」



私が微笑むと電流が護衛たちに流れて護衛たちは気絶した



「君は、これくらいじゃ済まない事…わかってるよね？」



暗い部屋に一輪の光の花が咲いた

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