【srr】ふっわふわ③ (ページ19)

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１１５話ページ19

貴方視点

『まぁ、多分…主の輸血やら臓器提供やらに都合がいいからだろうけど。』

昔は…アキやハルが生まれた時期は、そんな技術無かった。

言ってしまえば、今の…ナツやフユは…。

研究して、改良して、作り替えられた。

ただの実験台。

…あぁ、いやだ。

それを平気で考えられる私も。

非人道的なことをやってのける彼らも。

『…ふぅ。』

「…なるほど。理解はしました。」

アキはそっと目を伏せた。

…あぁ、幻滅されたかな。

…そう。ナツは元々夜桜家のボディーガードだ。

葉桜家とは違う。

元を辿っていけば同じ血になるとはいえ、危険な賭けだった。

…わかってる。

「A、無理はしないで下さい。」

『…え？』

責められる、そう思っていたのに。

アキが見せたのは笑顔だった。

「独自に調べていたのでしょう？ナツの血液との適合率について。」

…！

バレてる、か…。

「上手く隠しているようですが…」

アキは私の顔を覗き込んだ。

「隈が酷いですよ。」

目の下を優しく指で撫でられた。

…やっぱり、アキに隠し事はできないなぁ。

『…まあまあ。それにしてもね。ナツは攻撃は得意だけど防御は苦手だよね。』

隠し事が出来ないなら話を逸らすまで。

「そうですね…。もしくは攻撃をもっと極めてトラックを粉砕出来るくらいになるか…。」

…。

…！？

トラックを粉砕！？！？！？

いやいや…うん。

さすがに…冗談だよね。

あーでもアキなら普通にできそうなんだよなぁ！

「まぁでも防御を鍛える方が効率良いですよね。」

…え、ガチだったの？ほんとに？

「あ、Aおかえり。」

『うん、ただいま〜！』

ゲームをしていたらしい彼方はこっちを見て微笑む。

そんな彼方につられて、私も頬が緩むのであった。

「そうそう、式っていつ挙げる？」

ゲームをしながら思いついたように言う彼方。

…うん、めっちゃナチュラルに聞いてくるじゃん。

まぁでも、私も人のこと言えないか。

彼方に誘われて私もゲームに参加したのだ。

これが楽しくて楽しくて。

『んっとね〜…。来月の最初の一週間はまとまった休みがとれるかも。』

なんでかはわかんない。

「じゃ、その日にしようか。」

『うん！』

実はもう式場も下見もドレス仕立ても終わっている。

だからまぁ…あとは式を挙げるだけなんだよね。