【本編】レイスの使者

6話【エドワード】 ページ7

「…人の、声…？」

エドワードが目を覚ますと同時に耳に飛び込んで来た自分以外の人間の声。
慌てて飛び起きるも、勢い余って壁にしていた本棚に激突。何冊か音を立てて地面へと落ちる。

「あぁ…やっちゃった…」

エドワードは壁にぶつけた箇所を数回撫でると本を拾い始める。
だが、当然誰にも気付かれないという事がある訳もなく、本を拾い終えたエドワードの目に飛び込んで来たのは沢山の人影。
驚いた表情の者数名、興味なさそうな者1名、此方に武器を向ける者1名。
エドワードは慌てて立ち上がり、両手を上げる。

「わわ、僕はゾンビじゃないし君達の敵でも無いから…！」

「そう…」

武器が下げられればほっと一息。
少しして微笑みを彼等へと向け口を開く。

「…僕はエドワード・ボイル、驚かせてしまってごめんね。昨日の夜にここに来て、少し睡眠を取ってただけなんだ」

毛布代わりにしていたコートを着こなしながら言う。

「でも良かった、生きてる人がこんなにも…。…君達の事も教えてくれないかな」

何処からか椅子を持ってきて座ると、エドワードは微笑みながらそう言った。

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