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第九十九話 絶好 ページ13
ガチャン、と電話の切った音が響いた。
「……矢張り、止められなかったね。」
太宰は呟いた。
安吾からの連絡だった。Aさんは亡くなりました、と。
どうやら彼女は1週間前にこの世を去ったらしい。
他者の異能力により滝に飛び降りたことを確認したが、霧により最期が確認出来なかった。この一週間で遺体は見つからず、捜査は打ち切りになった。そして、生きている希望は薄い。とのことだ。
伝えられたのはそれだけだった。
「……置いてかれてしまったね。」
外を見ると空は綺麗な青さで、正に絶好のジサツ日和と言えるだろう。
心地よい風が髪を揺らした。
思い立ったが吉日、太宰は外へ出た。
珍しく、社内には止める人は居なかった。
太宰は歩いた。
今日もまた、ジサツする為に───いつもの川を目指して。
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