【おそ松さん】声が出ない君に恋をした【おそ松】

こういう時に。 ページ12

おそ松side

あと、四十八時間。

その間にドナーが見つからなければ…

Aは…

静かな病室で死んだように寝るAを見る。

その美しい顔に吸い込まれそうだ。

明日退院して一回家に帰ったら、すぐに戻ってこよう。

目覚めるまで…

手術が終わるまで、

俺はここに居る。

「A…」

愛しく名前を呼んでも返答はない。

それでも隣でいるだけで、満足感が出てくる。

俺は一睡もせず、Aの側で一夜を過ごした。







翌日。

家に帰って、皆には悪いとは思う。

けど…

やっと、

大事にしたい人が出来たんだ。

そう言うと五人は目を見開いて、その後は…

笑顔で俺を見送ってくれた。

待ってろよ…A…









「はぁ…はぁ…」

病室に行けばまだ眠っているA。

残り三十六時間。

時間は何も知らない顔して、時を刻む。

時間が止まればいいのに。

もう…

泣かないって決めたのに…

涙が水のように溢れる。

そこに。







「「「「「おそ松兄さん！」」」」」






「な、んで…」

カラ松「フッ…兄貴を一人にするわけないだろう？」

一松「…俺は着いて来ただけだし。」

皆…

トド松「へ〜…可愛い子じゃん。」

トッティ顏で言われてもな…

十四松「付き合ってんの！？」

十四松…違う。

チョロ松「おそ松兄さんが泣いてるとこ、初めて見た。」

情けねぇだろ？

もう…何でいるんだよ…

一番最悪な時に、

一番…





傍にいて欲しい時に。







トド松「おそ松兄さん、僕たちも一緒に居るから。」

そう言って手を握り締めるトド松。

チョロ松「だからさ、諦めないでよ。」

二人の言葉に涙は、さっき流れていたのが嘘みたいに止まった。

そうだよな…

こういう時に泣いてても意味ねぇ。

そのためには…

Aの手を握って、外を見た。

.

ドナー→←残り四十八時間

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