推しと家が近かった件について

第２３話 ページ24

紫音くんが二階に来る音

コンコンコンとドアをノックしてくる
このまま迎えるのか！？

「あ、良いよ...」

「ああああ。あれ？Aちゃんどうしたの！？」

驚いた様子でこちらを見る

「え。いや、そ、何もないよ」

見て分かる通り何もないわけ無い

泣いてる顔を見せたくないので下を向く

「そんなわけ無いでしょ」

と、言って手を顎にやって来た
俗に言う顎クイだ

思わず紫音くんと目が合う
泣いてないときが良かった

「泣いてるでしょ。ねぇ。どうしたの？」

「あ、紫音くんが...テレビ出てね。恋愛ドラマでしょ。それが嫌だったの」

あ、言っちゃった。感極まって

紫音くんも「は？」みたいな顔で見てくる
この場から逃げたい

「別に好きじゃないけど」

一気に冷静になり答える

「へ？」

「別に好きだから共演してる訳じゃないし」

「確かにそうだけど...」

確かにそうだけど嫌じゃん

だって好きな人がさ嫌いでもイチャイチャしてたら嫌じゃん
それとおんなじだよ

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