検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:4,691 hit

ページ2


「社長は如何してこんな私をスカウトしたんでしょうか。能力的に私はポートマフィアに入るべきだろうに。」













日記帳をペラペラと捲り乍谷崎君に問う。私の質問に対して彼は苦笑いして『僕はちょっと判りませんね』と云う。


今でも不思議に思う。何であの時に、異能力を遣うのが愉しくて愉しくて、最早“狂人”になりかけていた私に手を差しのべたのか。日記帳を増やすのに必死だった私を__
「Aさん?大丈夫ですか?」
「ッごめん昔の事思い出した、、」

過呼吸になっていたのだろうか。息が苦しかった。私は二回咳払いをして珈琲を飲む。過去何て如何でもいい。過ぎたことを思い出しても、如何せ全て思い出せないから。



谷崎君は日記帳が気になるのか、何回も日記を眺めている。個人の幸せしか載っていない日記は、正直好きじゃない。でも命と引き換えだと思うと、如何しても覗きたくなる。同じ様な内容でも、その時の感情、一人一人の人生の大半が書かれていて、中々詰まらないものでもない。何せ同じものは存在しないから。




「日記が気になるの?」谷崎君の顔を覗き込んで微笑する。「読む?谷崎君が気に入りそうなのもあるけど。」
「えッ……なら見せてもらッても良いですか…?」
その言葉を聞いて『よし来た!』と云わんばかりの勢いで席を立つ。日記を見て不快に思うことは無いだろう。
幸せしか書かれていないから。

「よし!探偵社に戻ろうか!」



























***
「んーと、あ、此がいい。」日記が入った箱を軽く漁り、三冊の日記帳を渡す。「はい此、私が一番嫌いなタイプの日記。適当に読んでね。」
「嫌いッてAさん…」
「だって世界一詰まらないから。でも“普通の人”なら気に入るよ。絶対。」

谷崎君は渋々受け取り、席に着いて日記を開き読み始める。
日記の数は人によって数が違う。数頁しかないものや十冊以上のもの迄。詰まらないのや面白いのも、そう感じるのは人各々だが。













「まぁ、きっと“良い日記だ”って云うと思うんだけどね。」

弐→←設定


ラッキーカラー

あずきいろ


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (17 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
18人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Utsuro x他1人 | 作成日時:2017年8月29日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。