狐と兎 3

逃亡犯 ページ31

団長の部屋の前まで来た私は唖然とした。

物はあちこちに破壊されており、見るのも無惨だった。

いままでここに来るまでにも結構見てきたが……コイツはひでェ…。

(阿伏兎)たくっ…あのバカ団長は。

(A)すみません…私のせいで…。

(阿伏兎)嬢ちゃんのせいじゃねぇよ。

気にすんな。

(A)…はい。(…と言われても気にします！)

(阿伏兎)よしっ開けるぞ。

1、2、3、で開けるぞ！

(A)そんなプロレスみたいなもんでしたっけ？

(阿伏兎)団長〜開けるぞ。

ガチャ─

つ、ついに運命の扉があ、開いてしまった。

扉の向こうからは返事がない。

(阿伏兎)居ないのか〜？

(A)団長…？

扉の隙間から少しながら部屋の中が見えた。

正直息を飲んだ。

いままでのとは比にならないくらいの荒れようだった。

………こ、これ…私、確実に殺されるじゃん！

大げさかもしれないけれどそれぐらいヤバいレベル…！

？ 二人ともどうしたの？

いきなり後ろから声がした。

(阿伏兎)おぉ、ビックリした。

誰かと思えば団長じゃねえか。

どこに行っていたんだ？

(神威)別に…。

(阿伏兎)反抗期か！

それよりも嬢ちゃんから言いたいことがあるらしいんだ。

(神威)言いたいこと…？

(阿伏兎)ほら…ってアレ？

さっきまでいた嬢ちゃんが…居なくなっているぅぅ？！！

ま、ま、まさか…逃亡…！？

(神威)？


〜逃亡犯A〜

(A)ムリムリ〜！

絶対に無理〜！

だってあれ絶対に怒ってるでしょ！

あそこで謝っていても確実に処刑されてる！

だから逃げてきた。

……とりあえず…どこかに隠れる所は……

あ、あった！

普段誰も立ち入らない場所…武器倉庫！

一旦ここに隠れて…っと…。

ってか私、今逃亡犯？！

新事実とアクシデント→←あるよね〜その展開。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す