90夜 預言者 3 ページ46
.
私の元にエルヴィンと名乗る女性が現れてから数週間後。
レーム帝国軍は、パルテビア帝国と海を挟んで相対し、
静かに時を待っていた。
.
「……本当に…これでいいのかしら」
「ここまで来てそれはないだろうさぁ
シェヘラザード。
迷いは正しい道を示すこともあるが、膨大な時間を要することもある。
この場でそれは命取りだ」
.
「けれど…私の魔法を使えば、
兵達が死ぬようなことは起こらないでしょう？なぜ、わざわざ彼らにやらせる必要があるの」
エルヴィンは少し遠くを見るような目で言った
「______________未来のためなんだ」
「未来？」
「いいかいシェヘラザード。
魔法に頼りすぎてはいけない。
確かに、魔法は素晴らしい力だ。はるか昔にイラーより与えられたその力は、
世界を丸ごと変えてしまえるほどの強さを持っている。
.
.
だからこそ、それを制御できなくなった時、
その大きな力は、
民を、自然を、国を巻き込み、
最後には世界に破滅をもたらしてしまうこともあるんだ」
「………じゃあ、私にできることはないの？
マギである私には、魔法くらいしか特別なところはないわ」
「何を言ってるんだ。
マギであるだけで、貴女は充分人の役に立てる」
「………どういうこと？」
「言ったろう？貴女はレームを導がなければならないと。
王の選定者として、魔導師の頂点に君臨する者として、
民を導き、国を築き、世界を見据えること。
それが貴女の役割だ」
.
すると突然、彼女はくるりと踵を返した。
.
「…！……どこへ行くつもり？戦はまだこれからなのよ！」
「私は策士じゃないからねぇ。
戦の勝ち負けに興味はない」
「私を導いてくれるのではなかったの？！」
.
.
.
「もう、道は見えているだろう？」
次の瞬間、エルヴィンの考案した改良型投石機から
大きな岩が打ち上がり、
パルテビアの軍艦が次々と砕けた。
鬨の声が上がる。
「お前は、人を大事にするんだ。
どんな人々も、どんな身分の者も……
人の団結はときに、魔法にすがる盲信者の
群より
強い力と、絆を生むものなんだよ。
そのことを、よく覚えておくんだ。
.
道を…違えぬようにな。レームのマギよ
ルフの導きのままに………」
.
ラッキーアイテム
モルさんの眷属器。見るだけでok。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 119人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ウラト - ぱないのって物語シリーズですよね！ (2016年5月4日 2時) (
レス) id: 9d9d1106e6 (このIDを非表示/違反報告)
ネット廃人のネト充 - ジュダルのあだ名がめっちゃ笑えるｗｗｗｗ (2016年2月23日 16時) (レス) id: 7c3141a3a4 (このIDを非表示/違反報告)
らいむめろん - 永らくご無沙汰して申し訳ありません！一身上の都合により更新が遅れます。本当にごめんなさい……皆様これからもよろしくお願いいたします。 (2016年1月5日 18時) (レス) id: 2a8f9b99d0 (このIDを非表示/違反報告)
紫(プロフ) - 続きが楽しみ！更新頑張ってね！ (2015年12月15日 21時) (レス) id: 1294923381 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - とても面白いです!更新楽しみにしています^^ (2015年12月13日 17時) (レス) id: d0082e23f9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らいむめろん | 作成日時：2015年7月23日 20時
