63夜 赤目の白狼 ページ19
朝日に照らされて目覚めると、
隣には狼さんがいて、
まだ殺されていなかった。
なぜ殺さないんだろう。その鋭い牙で、
私を切り裂けばいいのに
なぜ、寄り添ってくれたんだろう。
あんたを縛り付けてきた奴らと同じ人間なのに
__________こんなこと、
前にもあったな……黄牙のときに…
狼さんは賢くおすわりして、私に目線の位置を合わせる。
能力によって秀でた洞察力。
このときはじめて、動物にも思考があることを知った。
「あぁ、昨日の話のことね。
いや、大したことじゃないよ。ぜんぜん。
_______ただ、ちょっと苦しかったから。
誰かに聞いて欲しいなぁってだけ……
いいの？」
ゆっくりと首をを縦に振る。本当に賢い。この狼は。
「じゃあ……
でも、自分でもよくわかんないんだよね。
私……
自分の力が怖いの。物凄く。
さっきあなたも見てたでしょ？あの惨劇を。
なんかねぇ…考えてはいたんだけど、
私の能力が完全に覚醒しちゃうと、
洞察力、観察力、判断力、統率力、俊敏性、機敏性、反射神経、
そのほか諸々が鋭くなる代わりに、
異常なまでに、
感情が欠如しちゃうの。
例えば、慈愛とか、哀れみとかの心が。
だから、あんなにたくさんの人を殺しちゃっても………
怖いとか、罪悪感とかっていうのは、
全くないんだよね。むしろ、喪失感や自分に対する恐れの方が大きいかな。
______________だからッ……」
自分のことを語り出すと、
夢で何百回と見てきた光景をまた思い出してしまって、自然と涙が流れる。
自分のしてきたことが、
情けなくて
でも仕方のないことで
自分ではどうしようもないことで
それでもやっぱり、
情けなくて。
「…………だからね……
いつか、自分の大切な人たちも、
無意識で殺してしまうかもって………っ
いつも、いつもいつも、怖くて仕方ないの……
ねぇ……どうしたらいいの……？ねぇ……」
ボロボロと雫が流れ落ち、
誰かの返り血と混ざり、滲んだ。
すると、
「……ほぇ…？」
すぐ目の前に、美しい赤色の瞳。
「…ッ…あ、あはは、慰めてくれてんの？
優しいね……あんたは。」
ぺろぺろと涙を拭う狼の
慈愛と、優愛の心が、
溢れて、私の心を満たしていった。
.
ラッキーアイテム
モルさんの眷属器。見るだけでok。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーアルファベット
X
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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ウラト - ぱないのって物語シリーズですよね！ (2016年5月4日 2時) (
レス) id: 9d9d1106e6 (このIDを非表示/違反報告)
ネット廃人のネト充 - ジュダルのあだ名がめっちゃ笑えるｗｗｗｗ (2016年2月23日 16時) (レス) id: 7c3141a3a4 (このIDを非表示/違反報告)
らいむめろん - 永らくご無沙汰して申し訳ありません！一身上の都合により更新が遅れます。本当にごめんなさい……皆様これからもよろしくお願いいたします。 (2016年1月5日 18時) (レス) id: 2a8f9b99d0 (このIDを非表示/違反報告)
紫(プロフ) - 続きが楽しみ！更新頑張ってね！ (2015年12月15日 21時) (レス) id: 1294923381 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - とても面白いです!更新楽しみにしています^^ (2015年12月13日 17時) (レス) id: d0082e23f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らいむめろん | 作成日時：2015年7月23日 20時
