弐拾肆話 ページ25
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私の抵抗も空しく探偵社に強制的に連れてこられた。
私はソファの上に座らせれてるけど体育座りをして顔を埋める。
レオくんは私の隣で呑気に居眠り。
もう、原作とか崩壊されてるんじゃないか、とか思い始めてしまった。
すでに鏡花ちゃん、泉鏡花がここにいるからだ。
どのタイミングで入ってきたかはよく覚えてはいないがこんなに早いタイミングでは無かったと思う。
「大丈夫?」
頭上で中島敦の声がする。
「何故あんな幼子を連れてきた」
「なんか追われてたみたいだから」
「本人は厭がってたけどねぇ」
「ものすごく怯えているみたいですよ」
「お菓子……」
「何か飲むかな……」
「追われてるってなんにさ」
「それを今から聞き出すんだよ」
近くで、色んな言葉が交差するけど全然わからない。
ただ、怖いって思うだけでお兄さんに会いたい、って思うだけで、今この場にいることが気持ち悪い。
「にげ、」
なきゃ。
その思いにレオくんも気付いたのか少しだけ顔を上げて私を見る。
ここが何処なのか分からないけど逃げたい。
もう、レオくんをお兄さんの家に置いてお兄さんが帰ってきたら出ていこう。
なにか、ひとつお礼をして。
ボロボロと溢れる涙を拭いて。
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作者名:拳銃 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年7月12日 23時