弐拾伍話 ページ26
side太宰
ソファでボロボロ涙を流す少女は、昔私が、私たちが保護した少女だ。
マフィアから彼女が失踪したと聞いていたが元気そうで良かった。今はめっちゃ泣いてるけど。
先ほどの異能力は彼女の物なのか。
……まさか私の事忘れていたりしないよね?それは流石に悲しいのだけど。
「トイレ?いいよ。行こっか」
優しくそう言ったのは敦くん。
猫と一緒にソファから降りる。逃げようとか考えてそうだなぁ。
あの馬鹿、どんな教育してるんだろう。というか何でいきなり失踪したんだ。
皆は口々に親が連れ戻しに来たと言っていたがどうだろうか。
彼女の生い立ちは調べても分からなかった。唯一分かったことは彼女の双子の姉についてのみだった。
いや、これだけでも十分か…?しかし、今双子の姉はこのヨコハマを荒らしていると聞く。双子なら推定8歳程度ではないか?
「あの、太宰さん、どこまで着いていこうとしてます?」
「ん?ああ、ごめんね。つい懐かしくて」
彼女を見ながらそう言うと彼女は大きな目を腫らして体をびくつかせる。
あれ、私嫌われてる?
ま、まぁ確かに私より中也や芥川に懐いていたと思うけど、と彼女をトイレへ見送った瞬間、爆破が起きた。
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作者名:拳銃 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年7月12日 23時