弐拾玖話 ページ30
side中原
また、かと思った。
アイツに置いていかれたとは言いたくないが亜依がいなくなったのは寂しかった。
いつも家に帰れば笑顔で寄ってきてくれてアニマルセラピーのようだった。
そんなあいつがいなくなって数日経ったある日、あいつの情報が手に入った。
家族についてだ。
ここでふと家族がいたのか、と思った。
そりゃいるよな。
書類に目を通していると不可解な情報が書かれていた。
異能力ーーーーーー心
簡潔過ぎだろ…。
しかも詳細不明。
あいつのことなんてどうでも良かった筈なのにもう良くない。
見つけて連れ戻す権限も糞もねぇけど俺が納得しねぇ。
.
「なんっ、だこれ」
亜依を見つけ、捕獲したらと思ったら亜依の周りに言葉の列がまとわりつく。
それと共に聞こえた
「やっと見つけた。私のみらい」
幼い子供の声。
腕の中でもがく亜依。
みらいって、なんだよっ。
亜依は亜依だろがっ、
「っ、やだあ!!!!!!!」
沈黙が続く中亜依が叫ぶ。
文字の羅列と共に浮かぶ。
だめ、だ。
また置いてくのか。
「亜依っ!!!!」
「待て!!」
「おい!!聞こえてんだろ!!亜依!!!」
雨が酷くなってきた中、俺の異能力も、アイツの異能力も効かず、動けないまま亜依は消えた。
亜依のことを『みらい』と呼んだ子供もいつの間にか消えーーーーーー
「はぁ!?みらいどこいった!?!!?!」
「ねぇのかよ!!!!」
なんなんだこいつ!!
.
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作者名:拳銃 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年7月12日 23時