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プロローグ5 ページ6
こんな綺麗な男性の前で大声を出す、というのも流石の私も乙女の恥、というのがある。
赤司「おはようございます。私、赤司征十郎と申します。」
困った娘だ、と眉毛を八の字にしていた父はいつの間にか威厳をまとった顔つきになり、家政婦さんに応接室に茶を、と耳打ちして
父「案内して差し上げろ。」
と、私に言い放つ。
厳しい顔をした父には私は負けっ子なので、大人しくこちらへどうぞ、と赤司様を応接室に連れていった。
家はどこもかしこも畳部屋なので、当然応接室も畳。
座布団を２つ取り出して、１つは赤司様の座るところに、もう１つは私の座るところにおき、赤司様が座ったのを確認してから私も座った。
... 、沈黙。
向かい合わせの体のせいで、目線は自然に赤司様へと移った。
濃い藍色の着物... 多分うちで取り引きしている商品だろう。
うちで売るのは全てとても高いはず。彼はお金持ちなのか、それともこちらに気遣ってわざわざうちの商品を買ってくださったのか。
なんて、服装に注目してるのは、この人が未来の旦那様の可能性があるから気恥ずかしくて顔がみれないのだ。
家政婦さんが部屋に入ってお茶をおくと、彼は会釈をしてありがとうございます、とまるで音楽のように心地よく感謝の言葉を述べた。
赤司「さて、本題に入らせていただきましょう。」
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作者名：ははば | 作成日時：2017年8月13日 2時
