episode 188 Where to start ページ38
私を抱き寄せたユンギさんの熱が伝わって心臓の鼓動が速くなる。
華奢なのに意外と筋肉質な腕のなかで彼の温もりを感じていた。
、、、え？
私、、、知ってる。この感触を。この香りを、、、
目を閉じると頭がズシンと痛み出す。
でも今は耐えるの、、、記憶の中で穴が開いてた顔。あれは、、、
キーンっと耳鳴りがして思わずユンギさんから体を離してしまった。
ﾕﾝｷﾞ「カスミ！？大丈夫か！？痛むのか！？」
カスミ「っい、、、はぁ、、、待って、、、っ」
何かがスパークしたみたいに脳内のビジョンが洪水みたいに押し寄せてくる。
まるでパズルのピースみたいに、、、
そうだ、、、あなたは、、、
カスミ「、、、ユン、、、ギ、、、？」
ﾕﾝｷﾞ「、、、え？、、、カスミ、、、？」
ぼんやり霞んでた線が今、はっきり見えた。
思い出した、、、
忘れられるはずがない、、、こんなに大切な人のこと、
目を見開いて私を見つめるユンギを今度は抱きしめる。
カスミ「ユンギ、、、私っ、、、思い出したっ、、、全部っ、」
気がついたら涙を流していた、早く触れたかった温もりを噛み締めながら。
カスミ「ユンギ、、、ユンギ！、、、っ、、ごめんね、、っ」
ﾕﾝｷﾞ「カスミ、、、っ、俺、、、俺こそごめんっ、、もうっ、絶対離さない！、、、」
お互いの頬を伝う涙を拭い合って、見つめ合う。
ﾕﾝｷﾞ「カスミ、、、愛してる、」
ユンギの柔らかい唇が触れてキスをする、、、これは夢じゃない。
カスミ「私も、、、愛してるよ、、、ユンギ」
ここは私たちが付き合う前、初めて一緒に撮影場所に行く前にユンギが連れてきてくれた場所だよね。
その前は二人がお気に入りのコーヒーショップ。
結構同じものが好きで、好みが似てる私たちが初めて共有したお気に入りの場所だった。
ユンギのおかげで忘れてた事、全部取り戻せたんだ、、、
本当にありがとう。
家に向かう車内で歌謡祭での出来事と、サラさんとヒョジンさんのことを聞いた、
私への誤解もすでに解けていた、、、
サラさんの事は許せないけれど、ヒョジンさんに対しては少し同情してしまった。
正直に全て打ち明けてくれて、きっと罪の意識に苛まれて苦しかったんだろうな、、、
だからもう謝罪はいらない。
ただこの温もりを二度と離したくないって。
そう思いながら、ユンギの手を握りしめた＿＿＿＿、
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作者名：Apple | 作成日時：2022年4月22日 0時
