Follow a Dream Ⅳ (ページ39)

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episode 189 Follow the memory ページ39

※ﾕﾝｷﾞside

カスミの外出許可当日、まず早朝から部屋の片付けを始めた。

リビングには空っぽのまま放置されたお酒の瓶とグラス、破ってグシャグシャにした紙切れ、脱いだままのシャツ。

ここ数週間の荒んだ生活が現れてる。

カスミが記憶を失くした事実から目を背けたくて、最初は信じられなかった。

でも今は俺にしか出来ないことを考えてみた、カスミの側にいて支える事、、、

活動休止だなんてワガママにもメンバーやパンPDは付き合ってくれて、それほど皆もカスミを大切に思ってる証拠なんだ。

物思いに耽ったままゴミ袋を広げる、、、

落ち込んで情けない自分の姿を拾い上げるように、、、

病室に迎えに行くと、綺麗に整えられてサラサラの髪に、ナチュラルメイクをしたカスミ、

ユンギさんって呼んで嬉しそうに俺を見るカスミは、出会って間もない時の彼女を思い出させる。

大きな瞳をキラキラさせて、クシャって可愛い笑顔を俺に向けて、、、そんなカスミにまたドキドキして、

そうだ、家に行く前にあそこに連れて行こう。

誰にも邪魔されない、俺たちだけの思い出の場所、、、

何か思い出してくれたらってほんの少しの期待を寄せながら、彼女の手をひいた。

初めて一緒の撮影で無理を行って俺の車で待ち合わせしたあの日。

車内のBGMもあの時と同じ曲を選んだ。

カスミが差し入れてくれたコーヒーを今度は俺が用意する。

カスミ「ユンギさんもここのコーヒー好きなんですか？＾＾」

あの日、その台詞は俺が言ったんだよ、、、

この次にカスミが気を遣って添えてくれた、「熱いから気をつけて」、今は俺の台詞になった。

でもこうしてゼロになったとしても、また俺達は始められるよ。

またあの頃みたいに恋に落ちて、あの頃よりもっと深く愛し合えるはずだから、、、

目的地に着いて車を降りると、目を輝かせて嬉しそうに笑ってるカスミ。

こんな綺麗は場所初めて来たって、、、

息を吸い込むと冷たい空気が俺の胸をキュッと締め付ける、

たまらなくなってカスミを抱きしめた。

何も出来ない自分が苦しくて、奇跡が起きてくれって何度も願いながら、、、

俺の腕の中で苦しみだしたカスミ、

でも痛いのを我慢して、俺に何か伝えたがってる。

不安になってカスミに近寄った時、

カスミ「、、、ユン、、、ギ、、、？」

頭が一瞬真っ白になった。

神様、、、俺は今日という日ほど、あなたに感謝した日はない＿＿＿