第45話 事実と言う名の幻(※流血表現あり) ページ46
サブタイトルにあるように流血表現があるので、苦手な方はブラウザバックを推奨します。
ー ー ー ー ー ー ー ー ー
「ッ!」
誰かが、声にならない悲鳴をあげていた。その人物は、
「母、さん…?」
数年前に、死んだはずのあたしの母親だった。母さんの目の前には父さん、そして、その後ろにいるのはあたしの妹のモモだった。
「お願い!モモにはッ!手を出さないでッ!」
あぁ、そうか。ここはもう、あたしが魔法少女だってバレた後なのか…。そして、母さんがそう叫んだのと同時に、うちの教会の扉が開いた。
「?」
その人物は黄色の髪をツインテールにしている人物だった。
「ま、み…?」
「マミ、ちゃん…?」
「マミお姉ちゃん…?」
「なんなんだ。部外者はすっこんでろ」
そう父さんが不機嫌そうに言う。
「…」
だが、マミは何も言わず、こちらに向かってくる。「まみ、ちゃん…来ちゃ、ダメよ…」
そう母さんは願うように言った。
「…残念ながら、お断りさせていただきます…」
だが、マミは母さんのその願いを断り、こちらに向かってきている。
「___来るな、と言ったはずだ…」
父さんは睨みつけながらそう言う。
「ですから、お断わりしたはずですが?」
だがマミは平然とそう言った。
「そうか」
父さんは短くそう言って、手にはナイフを握りしめて、マミに向かって行く。
「___ッ!待って!父さんッ!」
「無駄だよ、杏子。これは過去の出来事なんだから。どう足掻いたって、過去は変えられない」
父さんを止めようとあたしは必至に吠えるが、そんなあたしをよそにキュウべぇは現実をつきつけてくる。「___」
バン!そう音が聞こえた。これは銃声だ。そして、この場で銃を所持しているのはただ一人、巴マミだけだ。
「がふっ」
そう血を吐きながら声を零し、父さんは崩れ落ちていく。
「___っ!父さん!!」
そんな父親に向けてあたしは叫んだ。
「っ!モモ!見ちゃだめよ!」
拳銃で死亡したとなれば、もちろん血は出る。だから、父さんの周りには血だまりができていた。そんな光景をまだ幼いモモに見せるわけにはいかないと、母さんはモモを包み込むように優しく抱きしめた。
「___。マミちゃん、どうして、こんなことを、したの…?」
そう母さんは冷静に問いただす。ただやはり恐怖はあるようで、手が震えているのが見えた。
「…お母さん…?」
モモは母さんの異変に気付き、そう呼びかける。
「___さて、次はお母様」
そうマミは言いながら、母さんに銃口を向けた。
第46話 経緯説明(※流血表現あり)→←第44話 信じたくない
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作者名:ねこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rinnsatuki/?fp=
作成日時:2023年4月1日 18時