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第38話 昔交わした約束 ページ39

リビング
「ハローハロー、初めまして!」
「うわっ!びっくりしたぁ!」
さやか(仮)が目を見開いて、そう言っている。
「私も」
とまどか(仮)はさやか(仮)に同意する。
「もう怪我は大丈夫なんですか?」
とまどか(仮)がそう私に質問をなげかけた。
「ノープロブレム。なので、大丈夫です!」
「ならよかったです」
とまどか(仮)は安心したようにそう言った。
「…その、聞きにくいんですけど…」
とまどか(仮)が私に質問をしようとした瞬間、扉が開いた。
「!
杏子」
そこにはめちゃくちゃ不機嫌そうな杏子がいた。
「どうして…」
「っ!」
『どうして』そう言う杏子に私は恐怖を覚える。別に杏子の声が、圧が掛かり、怖かったわけではない。むしろその逆で、弱弱しい声だった。ただ、さっきの夢と重なってしまうだけ。もちろん、あれが杏子ではないことはわかっている。あれは私の罪悪感が具現化されたもの。それに彼女は私がこの先どうなっていくかなど私が知っていることは知らないから、あんなことは言わないし、言えない。それはわかっているけど…やっぱり、怖い。
「どうして、あたしを生かしたんだよ?」
そう細い声で杏子は言った。
「どうして、とは?」
そんな杏子に対して私が怖がっていることを悟られないように、いつも通り振る舞う。
「あたしはあんたたちを殺そうとした!なのに、何で生かした!?」
杏子は悲しそうにそう吠える。
「生きててほしかったから」
「は?」
杏子は意表を突かれたのか、そんな声を出した。
「杏子に生きててほしかったから。だから私はマミさんに杏子の手当をしてもらうようにお願いした」
「!?」
杏子は唖然としていた。信じられないものを見るような目で私を見ながら。
「おかしい…どうかしてる!!」
「かもしれないね。でも、私がそうしたい、そう心が願ったから、私はそれに従って動いただけ」
私はそう平然と答える。
「……もう一つ、どうして、今、戻ってきたの…?」
「その質問何回目?」
「こっちは真剣に聞いてんの!」
「…約束…」
「?」
私がそう言うと全員首を傾げていた。
「”お互い間違えた行動をしたら止める”って言う約束」
「!」
「私から見て今回の杏子の行動は間違っているように見えたから、その約束通り止めに入っただけ。この約束、忘れちゃった?」
ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー
昨日たくさんhitしていて嬉しかったので、早めに投稿してみました。ありがとうございます。

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作者名:ねこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rinnsatuki/?fp=  
作成日時:2023年4月1日 18時

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