第33話 特技はコント? ページ34
「!
き、危険よ!」
「わかってる」
そんなこと、さっきまでの杏子を見ていれば、わかってる。
「でも、手出ししないでほしい…」
「わ、私も…!」
とマミは自分も戦いに参加を申し出ようとするが私は言葉を重ね、マミの言葉を途中で遮る。
「お願い、私一人でやらせて…。その代わり、もし私が負けたら後輩ちゃんたちのことよろしくね?」
「っ!わかった、わ…」
相変わらず、マミは大人だなぁ。本当は私に聞きたいことたくさんあるはずなのに…。
「ゆっくり話してる場合かい?」
「!」
私とマミの間に攻撃がきたんですけど!?
「ありがとうね〜、ちゃんと待っててくれて」
「別に。ただの気まぐれ」
「それでも、ありがとう」
「…」
私の言葉に対し、杏子は数秒唖然としていたが、すぐに無言で攻撃してきた。なんとか紙一重で躱しているけど、それも時間の問題。
「速いなぁ。手加減抜き?」
「当たり前でしょ?邪魔するなら、容赦なく殺すけど?」
真顔でそんなこと言わないで…。
「どこでそんな物騒な言葉覚えてきたの〜?」
「さあ?どこだろうね!」
こんな変な会話をしているけど真面目に戦っています。普通に戦ってたらこっちが負けるしなぁ。
「……というかいつ変身するの?」
「…あっ!…忘れてた!」
「バカ」
「シンプルな悪口だね!?」
そうだ。私はさっきからずっと攻撃を躱している。だから、気づかなかったんだ!…ちょっと動きにくいな、とは思ってたけど!というわけで変身します。
「いや〜、もうすぐでこのまま戦闘続行するところだったよ」
「…」
アホじゃんっていう目で見られている気がする…。ひどいなぁ。
「ちょっとは使える魔法増えた?」
「まあ、ちょっとわね…」
「そ」
私がそういうと短く杏子は返事をした。というか私すごくない?杏子が得意なスピードについていけてるんだよ?まあ偶然だろうけど。
「っ!?」
あっぶな!今氷のシールド作ってなかったら当たってたよ!?
「へー、そんなこともできるのかい」
「うん。便利でしょ?」
にしてもほんとどうしよう。このままだと私の負け。……それ以前に問題がある。私が負けてそのまま殺されるのもまずいけど、それ以上になってはならない…なってほしくない事態は……杏子が…魔女化すること。どのみち長期戦は好ましくない。かと言って私が杏子から一本とれる方法もない。結局のところ私は無策でここに突っ込んだ。その時点で、私は無謀な人間なんだろうなぁ。
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作者名:ねこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rinnsatuki/?fp=
作成日時:2023年4月1日 18時