緑間くんがプロポーズするまでの話 ページ9
貴女目線
立花家にて
貴「あ”ー……辛い……」
私、立花Aは三日前から、風邪をひいている。
小さい頃、風邪をひいて発作が起きちゃって肺炎になりかけた話を思いだして、怖くなる。
まだ緑間君と付き合って3年しか経ってないのに、死ぬわけにはいかない。
しかも今あるお金では治療費すらまともに出せない。
肺炎になったら死へ一直線。
でも怠くて動けないからご飯も買いに行けず。
今はただ布団に入って天井とにらめっこするしかない。
貴「このまま安静にしてたらきっと大丈夫だよね」
そういって、今日何度目かの眠りについた。
緑間目線
昼休み、翼高校裏庭にて
誰もいない裏庭。
携帯のメール作成画面を開く。
三日前からメールの返信が来なくなり、何かあったのではと心配になる。
でもただ仕事で忙しい、出掛けているだけ、とも考えられる。
メールでは気づかないかもしれないと、電話をかけることにした。
プルルルルル……
貴「……はい?」
緑「あぁ、Aか?
……随分と具合が悪そうだな」
かすれた鼻声で、風邪だとすぐにわかった。
緑「風邪をひいたのか?
今日帰る時に家に寄るのだよ。何か欲しいものは…」
そこまで言ったとき、Aの苦しそうな声が聞こえた。
貴「鍵…開けときますから…今すぐ…来てくれませんか…?
何か、すごく会いたいんです…
あ、今開けました」
緑「…わかったのだよ、すぐ行く」
俺が職員室へ向かう足を一歩、踏み出した途端に
Aが咳き込んだ
緑「A!?大丈夫か!?」
貴「ゲホッゴホッ…ゲホッ…みど、りま…く…」
ガシャ、という音がして、携帯が落ちたのがわかる。
急いで職員室に向かい、荷物を持って玄関へ。
先生が廊下走っていいんですか、等という声を無視して。
「緑間先生?帰るんですか?」
緑「はい、急用ができてしまったので」
俺は玄関を出た所で、二人男子生徒がついてきていることに気づいた。
だが注意している暇もない。
ひたすら、Aの家へ走る。
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作者名:純粋林檎 | 作者ホームページ:http://KAITO
作成日時:2015年12月29日 20時