立花さんがプロポーズの返事をするまでの話 ページ11
貴女目線
貴「う…ん…?」
緑「!……A!」
見慣れない白い天井が見えたと思えば、さっきまでずっと会いたかった緑間君の顔。
貴「あれ、私……」
緑「ここは病院だ。すぐ目覚めてよかったのだよ…このまま起きなかったらと心配…」
緑間君ははっ、と何かに気付き私から顔をそらした。
緑「Aが急に気絶したからびっくりしたのだよ」
貴「そうだったんですか…あ、そういえば、来てくれてありがとうございます」
起きると、緑間君が私の手を握っていてくれたことに、気づいた。
緑「また発作が起きる可能性があるから、しばらく入院した方がいいと言っていたのだよ」
私はその話を聞いて、思わずえっ、といってしまった。
貴「お金……」
また仕事を増やさないとなぁ、と少し落ち込む。
緑「…俺が出してやるのだよ」
貴「えっ!?ダメです!絶対に!!
私なら大丈夫です!頑張ってお仕事…」
そこまでいったところで、私の手を握る緑間君の手に力が入った。
緑「そうやって無理をして、また倒れたらどうする?
今回は俺と電話してたからいいものの…
俺はもう、あんなに苦しそうなAを見たくない……」
緑間君は私の手を離して、優しく抱き締めてくれた。
緑「俺はもっと喘息についての知識をつける。
黙ってみてる何てことは、もうしない。
お前が苦しくないように、俺が支えるのだよ。
……本当は次会った時ぐらいに言おうと思っていたのだが…」
ゆっくり私を離して、まっすぐ目を見てくるその綺麗な緑の目は、少し涙がたまっていて。
「…結婚しよう」
その問いは、”はい”か”yes”しか答えがない意地悪な質問だと思った。
頷くと、緑間君は私の頬に手を当てて。
テーピングがザラザラしてくすぐったいものの、触れているのが緑間君だとはっきり証明されているようで、なんだか恥ずかしい。
このあともっと恥ずかしくなるんだろうと覚悟しながら、目を閉じた。
唇に柔らかいものが少し触れたと思った瞬間…
立花さんが緑間さんになるまでの話→←立花さんがプロポーズされるまでの話
9人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:純粋林檎 | 作者ホームページ:http://KAITO
作成日時:2015年12月29日 20時