林檎が一個落ちた ページ4
私は元々、孤児だった。
孤児と云っても、敦君や、モンゴメリちゃんの様に酷い孤児院では無くて
孤児院の院長先生を皆んなは親の様に慕って居た。
私も院長先生を慕って居た。
だが、或る日の事……
院「良かったわね。ルノワール」
或る一人の男に私は引き取られた。
名をドストエフスキーと云うそうだ。
顔は整っているが、瞳が氷の様に冷たかった。
「こ、こんにちは。ドストエフスキーさん。」
全力の作り笑顔をした。
ド「えぇ、これから宜しくお願いします。ルノワール」
「は、はい。」
そのドストエフスキー……私はフェーヂャと呼んでいるが、意外と優しい男だった。
この男は、死の家の鼠と云う盗賊団の長らしい。
でも或る日……
フェーヂャが血だらけで帰って来た。
ド「只今帰りました」
「フェーヂャ?!どうしたの?その血…」
ド「嗚呼、返り血ですよ。気にしないで下さい。」
私は薄々前から思ってた事を確信した。
フェーヂャは人を殺すのだ。
だが、自然とフェーヂャの事は怖く無かった。
「そう…」
でも、人を殺めているフェーヂャは見たく、無いな。
ド「?どうしましたか?瞳が潤んで居ますよ?」
咄嗟に目を手で覆った。
「い、厭何も無いから。」
ド「……人を殺している僕は嫌いですか?」
「?!」
ド「………」
心、読まれたかなぁ?
「…うん。」
何時もの様な優しいフェーヂャなら、判ってくれる筈。………でも、そんな理想
ド「それは困りましたねぇ」
壊された。
『ドサッ』
「?!」
ソファに押し倒された。
ド「……そんなルノワールには躾をしなくては^ ^」
し、つけ?
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
何をされるの??
「い、厭!」
ド「もう遅いです。」
『カプッ』
「ひぅ…うっ…」
首筋を噛まれる。
そして、血を吸われる
「や、め……フェ、ヂャ……」
掠れた声でフェーヂャに訴える、
だが、そんな声聞こえる筈が無い。
とばかりに吸血を続ける。
ド「……ふぅ。ありがとうございます。」
「フェーヂャ?…どうしたの??」
ド「見ての通り私は貧血体質です。
なので、血を下さい。」
「………良いよ。」
凡ては自由の為。
フェーヂャに尽くそう。
でも、その考えが甘かったのは、この頃の私は知らなかった。
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雪華 - 栢山さん» ありがとうございます!好みに合って良かったです (2018年3月26日 20時) (レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
栢山 - 闇があるので、とても私好みです(^-^;。 (2018年3月26日 18時) (レス) id: 015d78937e (このIDを非表示/違反報告)
青空ピース - みささん» ご観覧ありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2018年3月22日 8時) (レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
みさ - ドストさん推しなのでうれしいです!! 設定めっちゃ好みだし、これからも更新頑張ってください! (2018年3月22日 2時) (レス) id: 2aabce13b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青空ピース | 作成日時:2018年3月4日 19時