林檎が十四個 ページ19
『プルルルル』
探偵社の固定電話が無機質な音で鳴る。
その着信音を断ち切ったのは、いつにも増して、窶れて、疲憊している、探偵社員の国木田だった。
国「こちら武装探偵社。」
?『国木田!Aちゃんの居場所が掴めたぞ!』
すると、国木田の目の色が変わった。
国「何っ?!其れは本当か?!______花袋!」
花袋『本当じゃ!今、PCに送る!』
『ピロンッ』
国木田のPCから小さな音が鳴る。
国「太宰!俺のPCを見てくれ!」
太「嗚呼。今見てるよ。」
花袋『ハッキングに少し時間が掛かった。が、やっと見つけたぞ!』
そう。こんな時に役に立つのが、田山花袋だ。
だが、そんな花袋でも、十数日掛かって仕舞うのだ。
建物のセキュリティも堅い筈だ。
太「横浜○○町、○○。…確か此処は_________廃墟だ。」
敦「…」
福「探偵社員の皆に告ぐ。_______探偵社は総力を上げ、Aを連れ戻す!」
全「はい!」
そうして、探偵社員は大きく足を踏み出した。
「ふぅ…」
気持ちも落ち着いてきて、溜息を一つ吐いた。
「皆んな…」
か細い声が部屋に響き渡る。
『ガチャ』
「フェーヂャ…どうしたの?」
ド「久し振りにカフェに行きませんか?」
外にずっと出られずに居た私。
そんな私がこの誘いを断る理由は無い。
「うん!行きたい!」
ド「ふふ、そうですか。では早速行きましょう。」
これを着てください。と渡された水色のワンピースを着る。
「行こ行こ!」
そうして私達はカフェに向かった。
–カフェ–
「ふふ、外なんていつ振りかしら?」
ド「いつ振り、でしょうね?」
「_______ねぇねぇ、何時迄も音楽聴いてるンじゃなくてさ、お話しようよ。」
ド「駄目です。…其れに、話なら出来てるでしょう?」
「そう云うものかなぁ……まぁ良いけど。」
そう云い、紅茶を口に含んだ。
そして、カフェから見える景色を眺める。
「(そう云えば、探偵社の皆、どうしてるんだろ?)」
ーどうせ皆楽しくやってるだろ?ー
そんな声が頭に響く。
「確かになぁ…」
不意に口から溢れたその言葉は、空に消えていった。
ずっと涙を流していた瞳は、もう乾いていて、涙は一粒も溢れないほど乾いていた。
「っ______ぅう」
ド「大丈夫ですか?ルノワール」
「あっ…あぁ。うん大丈夫!」
急に声を掛けられて肩がピクリと揺れる。
何故私はあんな声を出したのだろう?
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雪華 - 栢山さん» ありがとうございます!好みに合って良かったです (2018年3月26日 20時) (レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
栢山 - 闇があるので、とても私好みです(^-^;。 (2018年3月26日 18時) (レス) id: 015d78937e (このIDを非表示/違反報告)
青空ピース - みささん» ご観覧ありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2018年3月22日 8時) (レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
みさ - ドストさん推しなのでうれしいです!! 設定めっちゃ好みだし、これからも更新頑張ってください! (2018年3月22日 2時) (レス) id: 2aabce13b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青空ピース | 作成日時:2018年3月4日 19時