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林檎が十個 ページ14

「ぅ…んぅ………」


目を覚ますと、頭がグワングワンと揺れる様な感覚に見舞われる。


「うぐ…っ」


少しだけ耐え、頭の揺れは治った。


「ふ、ぅ…」


浅い息をする。


「あ、蝋燭消されてる…」


暗闇の中、蝋燭を探し回る。


「痛っ?!」


足に硬い何かが中る感覚がした。


「あ、あった…」


幸にもそれは、蝋燭の燭台だった。


「あとはマッチか…」


机の上をふと見ると、マッチが置いてあった。


「ふぅ、これで一安心だ。」


マッチを擦って蝋燭へ移す。


「そろそろ出たいなぁ…」


その言葉と同時に或る言葉が思い浮かんだ。


ー躾ー


「っ!」


恐怖のあまり、肩を震わせた。


「何されるんだろ…」


暴力的な何かかな?


それとも、屈辱的な…


「…やめよう。生々しい。」


頭をフルフルと振り、考えを飛ばした。


「コレ、どの位の時間で消えるのかな?」


脇腹にくっきりと付いている鬱血痕をなぞる。


「はぁ…」


ため息を吐き、天井を見上げた。


「憂鬱過ぎる…」


せめて誰か監視でも置いてくれれば、お話できるのに…


『ガチャ』


静かにドアが開く音が響く。


ド「呼びましたか?」


「?!…何で居るの?」


ド「…秘密です。」


「あの、お話しよ?」


この位、甘えても良いよね?


ド「えぇ。では、何を話しますか?」


「昔みたいに童話が良いなぁ…」


ド「ふふっ、そうですか。では、紅茶を用意します。少し待ってて下さい。」


すると、勢い良くドアが開いた。


ゴ「何々?!お茶会?僕も混ぜて!」


「うん。良いよね?フェーヂャ」


ド「良いですよ」


何故そんなに優しくするの?


何故そうして私を甘やかすの?


何故わたしを縛るの?


貴方はそんなに_________優しいのに。


「じゃあ、紅茶の用意も出来たしお話しよ!」


探偵社の皆んなに申し訳ない、な。


でも、酷い言葉されてるよりは良いよね。


ゴ「僕!僕が一番に話したい!」


「??何のお話?」


ゴ「或る道化師のお話だよ!」


「それ、貴方自身の事でしょう?」


ゴ「あったり〜!」


憂鬱なんて何故か吹き飛んで仕舞いそうだな


「それじゃあ始めよう。」


その日はお話がとても楽しかった


まるで_________閉じ込められてる事を忘れる様に


自分の能力を忘れる様に


「楽しいなぁ(ボソッ)」


小さく呟いた声は笑い声と共に掻き消された


この時間がいつまでも続けば良いのに


不意にそう思ってしまった

林檎が十一個→←林檎が九個



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雪華 - 栢山さん» ありがとうございます!好みに合って良かったです (2018年3月26日 20時) (レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
栢山 - 闇があるので、とても私好みです(^-^;。 (2018年3月26日 18時) (レス) id: 015d78937e (このIDを非表示/違反報告)
青空ピース - みささん» ご観覧ありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2018年3月22日 8時) (レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
みさ - ドストさん推しなのでうれしいです!! 設定めっちゃ好みだし、これからも更新頑張ってください! (2018年3月22日 2時) (レス) id: 2aabce13b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青空ピース | 作成日時:2018年3月4日 19時

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