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林檎が九個 ページ13

『バンッ』


勢い良く扉を開ける。


敦「皆さん!こんな物が遺体発見現場に!」


ピラリとカードを見せる。


国「何?!直ぐに警察に持って行け!」


ザワリと探偵社の空気が変わった。


こんなカード一枚で。


でも、皆んな気持ちは同じ。


Aちゃんを見つけたいんだ。


敦「はい!」


僕は走って警察に向かった。



(敦サイド終)
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「ん、ぅ…」


目を覚ますと見慣れない天井で少し混乱する。


だが、直ぐに理解できた。


「はぁ…皆んなに会、」


止めておこう。


『会いたい』


なんて。惨めになるだけだ。


「?!…いつの間に…?」


なんと、首筋に鬱血痕があった。


「しかも、ハッキリ…」


ため息を漏らして仕舞う。


「?…何で此処捲れてるの??」


服の裾が捲れていた。


「…嫌な予感しか無い…」


『ペラッ』


自分の服を捲ってみた。





「ッ………本当、止めてよ…フェーヂャ、」


案の定、お腹、太腿、胸、脇腹など身体全体に


赤い花弁が舞っていた。


「はぁ…暫くは消えない、かなぁ?」


それにしても、前よりも鬱血痕の数が多くなってる様な…


独占欲、強くなってるのかな?


「はぁ。…もう何なの?」


これも私の所為、なのかな?


『バタンッ』


勢い良く扉を開ける音がした。


ゴ「ハッハー!さぁ、僕は何故此処に来たでしょう?!ヒントは躾!」


「…え?」


躾…?


その言葉が頭にグワングワンと響く。


そして、身体が勝手に毛布の中へ飛び込んだ。


「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だぁ…」


駄々を捏ねる子供の様に毛布を強く握り、肩で息をする。


「はぁ…はぁ」


あれ?何もしてこない…


『ガッ』


刹那


一瞬の事だった。


急にゴーゴリの手が出てきて私の首を掴んだ。


「う、ぐぅ…ッ」


ゴ「云ったよね?躾って…」


先程と感情が一変した様に私に問う。


「ふ…や、だ…ぁ…ぐッ」


首を絞める力を強められる。


私、死んじゃう…のかな?


皆んなに謝れて無いまま?


そんなの…嫌、だ…


『フッ』


その時、私は事切れたかの様に意識を手放した。




夢を見た。


否、夢より深いものだ。


私が探偵社の皆んなと普通に居る。


そんな夢。


普通だけど今は無いんだ…


早く、帰りたい。





「助けて…」


寝言で吐いた一粒の言葉は静かに響いた。

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雪華 - 栢山さん» ありがとうございます!好みに合って良かったです (2018年3月26日 20時) (レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
栢山 - 闇があるので、とても私好みです(^-^;。 (2018年3月26日 18時) (レス) id: 015d78937e (このIDを非表示/違反報告)
青空ピース - みささん» ご観覧ありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2018年3月22日 8時) (レス) id: dd74f2815f (このIDを非表示/違反報告)
みさ - ドストさん推しなのでうれしいです!! 設定めっちゃ好みだし、これからも更新頑張ってください! (2018年3月22日 2時) (レス) id: 2aabce13b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:青空ピース | 作成日時:2018年3月4日 19時

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