参【平野藤四郎】 ページ6
我が主は、いい方です。少し男性と話すのがが苦手なだけで。
僕ら短刀はみんな一度は主さまの夜警についたことがあります。その時彼女は必ず泣いて、僕らを抱いて眠ります。どこまでも無垢なのです。
…それを知らない者共は、話してほしい、愛してほしいとどこぞの赤い打刀のように躍起になっていましたが。僕ら刀は、主を守るのが役目。それを忘れたものばかりでした。
だからこそ、自らが呪具に汚染されている、と気がついたときは絶望しました。見習いの持っている呪具は、力が弱かったので油断しました。それが命取りでした。
ある日を境に一気に力が強くなりました。体の小さなものから侵されていきました。小夜が、愛染が、秋田が、苦しそうに笑いました。操られても、意識はあるのだそう。
何度も会議を繰り返し、僕らは一つの結論にたどり着きました。
抵抗し続けるのではなく、特定のタイミングで狙い撃つこと。見習いの油断をつくこと。ならば、一番のタイミングは、主が部屋を出るときです。
彼女が涙を流します。衝動をこらえ、意識を明け渡します。
ふすまに手がかけられます。
呪具に抵抗し、呪縛をときます。
す、と開くその前にこちらを向いた主の魂に、僕らの魂を絡みつけます。
これで、僕らは次の依代に乗り移れます。
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匿名狐(プロフ) - 夕月 刹那さん» わ！良かった！そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます！ (2018年5月30日 15時) (
レス) id: 19251f6155 (このIDを非表示/違反報告)
夕月 刹那(プロフ) - これ、私の好みドストライクです！次の更新が待ちきれない、、、！ (2018年5月29日 19時) (レス) id: 87fbf3b4b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名狐 | 作成日時：2018年5月23日 22時
