〜誘拐された赤髪(１２)〜 ページ22
『調べた限り、あいつに賊の繋がりはなさそうだね』
「そうですね」
「ああ」
山を降りてすぐに巳早を引き渡しにいけば、近くの橋までやってきた三人。
『念のため暫くは身を守る用心しなきゃね、白雪』
「はい、そうします」
先程から機嫌悪そうにしているゼンに白雪はじっと、ゼンを見る。
「ゼン怒って…」
「お前らにじゃないからな」
少し不機嫌に見えるが、白雪達に怒っているのではないと告げる。
「じゃあ…少しでいいからこっち向いてて、１０秒！ゼン、迎えに来てくれたこと…言って足りるものじゃないけど、ありが…」
「５秒でいい、白雪。あの山猿が別れ際にお前に聞いて答えなかったやつ、俺から訊いてみても構わないか？」
白雪の頭をくしゃりと撫でたゼンは、少し聞きにくそうに目線を外す。
「あー…それ私がこの国に来るって決めた理由。この国でゼンがどんな風に生きてるのか見たいと思って、だからそれが叶う場所を見つけるんだ」
胸を張ってそう語れば、ずっと黙って聞いていたクレアも微笑む。
「その場所俺からもお前が見えるとありがたいな。白雪、俺も礼を言う。無事ていてくれたからな」
ゼンは白雪の手を取り言うが、思い出したかのようにすっと離す。
「さてそろそろ木々とミツヒデが来るかもな。俺と同じで城抜け出すの得意なんだ」
「同じでってゼン…あれ、そう言えばクレアさんは？」
さっきまで、近くにいたのにと周りを見渡す白雪にゼンは落ち着いた様子でいる。
「クレアさん、腕だけじゃなくて足も縛られてて、傷だらけだから簡単な治療しようと思ったのに…」
「まぁ、待てすぐ出てくるから。おい、クレア出てこい」
それ程大きくない声で言えば、すっと出てくる。
「わ、クレアさん、どっから」
何処からともなく出てきたクレアにほんの少し驚く白雪にクレアは、どうしたの？と笑う。
「ほら、出てきたろ？」
な？と言うゼンに白雪は、まだ慣れないなーと苦笑した。
『どうかした？』
「おまえ、白雪に手と足。診てもらえよ」
「すぐ済みますから、ね？クレアさん」
迎えが来るまで、ここで時間を潰すのも悪くないかというゼンの言葉にクレアは、白雪に治療をお願いすることにしたのだった。
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紅羽(プロフ) - 侵入者(2)の最後の方のハルカ侯爵の台詞で「第二王子付き側近の」のあとの夢主の名前が変換されていませんでしたよ！とっても面白いです！これからも応援しています！！ (2018年8月2日 13時) (
レス) id: de0e7143c3 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 図書館戦争の続きが気になります (2017年8月28日 12時) (レス) id: 4d7851a43c (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - ゆりなさん、コメントありがとうございます！いまは、少し更新をお休みしてますが、これからも応援宜しくお願いします！ (2016年4月2日 21時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりな(プロフ) - 何回読んでも飽きずに楽しませてもらいました！！途中にある絵も最高でした！オビかっこいい。。。クレアさんの書く作品大好きです。これからも応援してます！ (2016年4月2日 21時) (レス) id: 46ce333a3a (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - かぷさん» 応援ありがとうございます！読みやすいと言っていただけて光栄です！私の小説から原作を好きになって頂けたんですか！感謝感激です！これからもコメント頂けると嬉しいです！ (2016年2月12日 1時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クレア | 作成日時：2014年10月7日 0時
