第3話〜侵入者(1)〜 ページ23
クラリネンス王国 首都ウィスタルー 王城 ー
「やー白雪!すまない間に合わなくて…クレアも今、城内には居ると思うんだけど見つからなくてな。
いつもなら、何も言わなくても白雪に会いに行ってる筈なんだけどな…止められなかった!?」
「ミツヒデさん!大丈夫でした。通して貰えるようゼンが門番の方に言ってくれてるみたいで。それより珍しいですね、クレアさんが居ないなんて。」
息を切らしたミツヒデと落ち合った白雪は、いつも一番に会いに来るであろうクレアが居ないことが少し寂しく感じた。
「実はゼンが、この間外出したんだけど。その後、忍で地方に視察に行って城への帰還を無断で遅らせてね。その事で…ちょっと周りにきつく言われたみたいで…」
「落ち込んでるんですか!?ゼンが!」
「ははは、いやーそれが」
『それが違うんだな』
「わ、わっ、クレアさん」
白雪の後ろから現れたクレアに未だに慣れない白雪は、驚いて前によろける。
「こら、またお前は…」
『反省を態度で示すって休みもせず、執務室に籠り続けてるみたい、ゼン、白雪来たよ』
ミツヒデの言葉には見向きもせず、クレアは執務室の扉を開けた。
「白雪………?幻聴…?」
「いや…まだ何も喋ってないけど…本物だよ」
明らかにおかしいゼンに白雪は、呆然とする。
『これは重症だ…白雪、幻覚、幻聴に効く薬草ってない?』
「クレア…お前、そんなに俺の執務を手伝いたいのか?」
『「寝てる暇があるなら白雪と会う」ってゼン言ってたから、ミツヒデにお迎え頼んだのに』
部屋に入るなり、どこに隠していたのか菓子を食べながら話すクレア。
「なっ…それはお前らが寝ろ寝ろやかましいから」
「なんか意地になっててね、なんとか休ませたいんだけど…」
木々がゼンに聞こえないよう小声で白雪に話してる合間も、菓子を食べ続けているとミツヒデにそれを取り上げられ、頬を膨らましていた。
『あー、ちょっと』
「こんなとこで食べるなクレア」
『木々ー、何とか言ってよ』
返してと、ミツヒデから取り上げようにも、ミツヒデも対抗して腕を高く上げればクレアに届く筈もなく、クレアは木々に助けを求める。
「クレアが、悪い」
『ねぇ、…白雪』
「私もそう思いますクレアさん」
『………ゼンは、無理、か』
「何だ、その言い方…」
新しいの貰ってくる、ミツヒデのけち。と一気に捲し立てると、部屋から出ていった。
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紅羽(プロフ) - 侵入者(2)の最後の方のハルカ侯爵の台詞で「第二王子付き側近の」のあとの夢主の名前が変換されていませんでしたよ!とっても面白いです!これからも応援しています!! (2018年8月2日 13時) (レス) id: de0e7143c3 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 図書館戦争の続きが気になります (2017年8月28日 12時) (レス) id: 4d7851a43c (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - ゆりなさん、コメントありがとうございます!いまは、少し更新をお休みしてますが、これからも応援宜しくお願いします! (2016年4月2日 21時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりな(プロフ) - 何回読んでも飽きずに楽しませてもらいました!!途中にある絵も最高でした!オビかっこいい。。。クレアさんの書く作品大好きです。これからも応援してます! (2016年4月2日 21時) (レス) id: 46ce333a3a (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - かぷさん» 応援ありがとうございます!読みやすいと言っていただけて光栄です!私の小説から原作を好きになって頂けたんですか!感謝感激です!これからもコメント頂けると嬉しいです! (2016年2月12日 1時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クレア | 作成日時:2014年10月7日 0時