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   〜侵入者(2)〜 ページ24

『何も取り上げることないのに』


部屋を出た後、クレアは一人愚痴りながら城中を歩き回っていた。時折、すれ違う衛兵には目もくれず黙々と歩みを進めていたのだが、何故か突如歩みを止め城内の植えられた木に目を凝らした。


『(…あたし以外に誰があんなとこ)』



クレアは、風がよく突き抜ける廊下のある場所から足をかけ、木に飛び移り、相手の背後を取るように飛びかかった。



「…!おっと、っと…これは驚いたいきなりこんな所に飛び移ってきたら危ないよ、お嬢さん」

『…誰?此処に何の用?』

「物騒なの持ってるねー」

『答えなければ、その物騒なので刻む』



左腰にぶら下げてある剣を横目に見ながら、見知らぬ黒髪の男にいつ斬りかかろうかと、睨み付ける。



「可愛い顔して、そんなこと言っちゃ駄目じゃない」

『…何処から来た?』

「さぁ?」

『何が狙い?』

「さぁね」



何も答えない男に痺れを切らしたクレアは、剣に右手を添えた時だった。



「おっと、これ以上はお嬢ちゃんには言えないな」

『は?』

「見てみ?」



顎でその方向を示されれば、こちらを睨み付ける厳格な男、ハルカ侯爵の姿。



『…ハルカ侯爵、何故…貴方が…』

「クレアまたお前は…木に登るなとあれほど言った筈だが?」

『…しかし!この男が!』

「お前には関係ない、下がれクレア」



何時にも増して機嫌の悪そうな相手にクレアは、無言になる。



「そういう事だから、じゃあね、お嬢さん」

『ちょ…!』



男に背中を押されハルカ侯爵の前に飛び出る形で着地すれば、眉間に皺を寄せるハルカ侯爵にたじろぐクレアに、ハルカ侯爵のが追い討ちをかける。



「下がれ」

『……はい、ハルカ侯爵』



未だ木に居る男にクレアは一睨みすると、来た道を戻っていった。




「ハルカ侯爵、あのお嬢さんがもしかして?」

「あぁ…第二王子付き側近のクレアだ。お嬢さんなんて可愛いものではない、むしろ気をつけておいた方が身の為だぞ」

「へぇ、あの子がねぇ」



クレアの後ろ姿を男は、興味を示した様子で見送った。





.

   〜侵入者(3)〜→←第3話〜侵入者(1)〜



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設定タグ:赤髪の白雪姫 , オビ , 従者   
作品ジャンル:ファンタジー
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紅羽(プロフ) - 侵入者(2)の最後の方のハルカ侯爵の台詞で「第二王子付き側近の」のあとの夢主の名前が変換されていませんでしたよ!とっても面白いです!これからも応援しています!! (2018年8月2日 13時) (レス) id: de0e7143c3 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - 図書館戦争の続きが気になります (2017年8月28日 12時) (レス) id: 4d7851a43c (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - ゆりなさん、コメントありがとうございます!いまは、少し更新をお休みしてますが、これからも応援宜しくお願いします! (2016年4月2日 21時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりな(プロフ) - 何回読んでも飽きずに楽しませてもらいました!!途中にある絵も最高でした!オビかっこいい。。。クレアさんの書く作品大好きです。これからも応援してます! (2016年4月2日 21時) (レス) id: 46ce333a3a (このIDを非表示/違反報告)
クレア(プロフ) - かぷさん» 応援ありがとうございます!読みやすいと言っていただけて光栄です!私の小説から原作を好きになって頂けたんですか!感謝感激です!これからもコメント頂けると嬉しいです! (2016年2月12日 1時) (レス) id: 4a23c0f44d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クレア | 作成日時:2014年10月7日 0時

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