検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:10,074 hit

ページ2

×××





一日という時間は直ぐに過ぎ去った。


有給休暇を頂いてわざわざ明日に兼ね備える必要なんて無かった。だが偶には悠々と過ごしてもいいだろうと上擦ったわけで。


当日、いつも通りの時間に目覚めていただきます、と控えめな朝食を取る。
目が冴えていくうちに段々と今日の予定を思い出した。

家を五時頃に出て、これは例の友人があの後に一緒に行こうと誘ってくれたからだ。
場所は偶然にも彼女の家の直ぐ傍らしく、同様に私の家からも案外近かったことには驚いた。


昨晩に一人ファッションショーをしたお陰で服は迷うことなく済んだ。
これは俗にいう大人可愛い系、といったところだろうか。少し深い紫ベースのワンピースに身を包んだ。


ゆっくりとお化粧をし、髪型をセットする。
服に合わせて紫のアイシャドウをのせてみたり、何時もとは違う雰囲気もする。


それに何故かうきうきして、その気持ちのまま時間を潰して五時丁度に家を出た。




茜色の夕焼けに微笑みながら彼女と待ち合わせ場所に着いた。指定された場所はある意味彼女らしいが、どうやら今日の会場の隣に偶然にもある駐輪場らしいところだ。

と私が着いた直後に彼女もやって来た。

実際に会うのは久々なのでお互い照れくさい部分もあったがそのまま会場に入った。



そうこうして始まった同窓会。
案外人が多くて、よく集めたなと思ってしまうくらいだった。

時々周りが声掛けてくるのには付き合いだと思って愛想笑い、それ以外は二人引っ付きながらお酒を片手に日常について話し合った。


少しして彼女が爆弾発言を落とした。





「で、どうなってんの?」
『何がよ?』
「も〜彼氏だよ、かーれーし」





ゲホッっと喉を通るお酒に咽た。
汚ねぇな、とか笑いつつ背中を叩いてくれた。





『っ、急に言わないでよもう!』
「で、どうなんだよ」






そう言われて昔の記憶が頭を過った。私と彼氏。






別れたんだよ



その言葉に、そして私の空笑い気付いただろう。彼女はそっか、とその一言だけでそっと頭を撫でた。
もしかすると彼女が今日誘ってくれたのは私と逢う口実だったのかもしれないな。




「ごめんな、今日連れ出して。あんたさ、誰が見ても分かるくらいあのイケメン彼氏とらぶらぶだっただろ?」
『……』
「覚えてる?彼のこと」







.
ばか忘れるわけないじゃん


か→←さ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
35人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , 浦島坂田船 , 志麻
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

CIEL☆(プロフ) - こもも?ャん??さん» こもち!! コメントありがとう;; そう言ってもらえて嬉しいです!! (2020年4月21日 16時) (レス) id: 6daf1523f9 (このIDを非表示/違反報告)
こもも?ャん??(プロフ) - うぽつ!!めちゃくちゃおもしろかったよ!! (2020年4月21日 15時) (レス) id: c75110c291 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:CIEL☆ | 作成日時:2020年4月20日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。