禁じられた森03 ページ48
足が竦んだように動かなくなるハリーに、セレナは小さく笑みを浮かべて少し引っ張った。
「迷わないで、ハリー。貴方の素敵なところは、その探究心でもあるのよ」
そう言ったセレナは既に意識をクィレルに向けていて、ハリーはドギマギした気持ちでセレナに習ってクィレルに視線を向けた。
クィレルは誰かに脅されているのか何度も謝罪の言葉を口にした後、「わかりましたよ」と弱々しく何かを承諾するような言葉を吐いて、ターバンを何故か巻き直しながら教室から急ぎ足で出て行った。
どうやら自分たちの存在に気づいてなかったようで、そのまま去っていった。ガランとした教室の中にセレナが堂々と入ったため、ふと疑問が過ぎる。
「...他に誰かいた？」
「いいえ、クィレルだけよ。でも《誰か》と話してたわ」
「何か通信手段があったのかな...？」
ハリーの言葉に、セレナは首を横に振るまでの確証がなかったため、わからないと肩を竦めた。
とりあえずこの事を共有しようと二人は教室を出ると、足早に寮に向かった。
寮に戻ると、ハーマイオニーがロンに天文学のテストをしていた。
以前と比べて仲の良くなった二人に少しの感動を覚えながらも、声をかけてヒソヒソと先程見た光景を話すと、ロンは元気を取り戻したかのように食いつき、ハーマイオニーは校長先生に話すべきと身を引いた。
ハーマイオニーの言葉は正しい。
けれど、それには問題が山ほどあった。
「証拠も確証もないんだ。もしスネイプが石を狙っていたとして、クィレルとは既にズブズブの仲でトロールを解き放ったことも、四階に行った証拠もない。セレナは違うけど、僕たちがスネイプをクビにするように話をでっち上げてると思われるだけさ。
もう一つおまけに、僕たちはフラッフィーの事も石のことも知らないはずなんだ。...これは説明しようがないだろ？」
ハリーの言葉にハーマイオニーは納得いったのか、頷き黙りこくった。
四人は顔を見合せ、これ以上深掘りするのは辞めておこうと、それぞれ教科書を広げてはテスト勉強に勤しんだ。
次の日、ハリー、ハーマイオニー、ネビル宛にそれぞれ手紙が届いた。
「処罰は今夜十一時に行います。玄関ホールでMr.フィルチが待っています、か...」
「何をさせられるのかしら...」
「ぼく、怖いよ...」
場所もする事も記されていないその手紙に、誰もが恐怖した。
ただ、セレナだけは皆と違った意味で恐怖と嫌な予感を感じていた。
母の手紙に記された《禁じられた森の闇》はきっとこの日だ。そうセレナの直感が告げた。
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レン(プロフ) - pecoさん» pecoさん、コメントありがとうございます！夢主ちゃんには暗躍してもらって笑この長年続く因縁に決着つけて頂きますので、これからも夢主共々この作品をよろしくお願いします (2022年11月21日 20時) (
レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
peco(プロフ) - マルフォイ可愛いくて大好きです！夢主ちゃんにはぜひスリザリンとの溝脇を埋めて欲しいです！更新楽しみにしてます！ (2022年11月21日 19時) (レス) @page40 id: 513ec929f7 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - チーズバーガーをチーズぬきで！？さん» コメントありがとうございます(*^^*)更新遅めですが、楽しんで頂けたらと思います！これからもよろしくお願いします！ (2022年10月13日 21時) (レス) id: b7c954aa2e (このIDを非表示/違反報告)
チーズバーガーをチーズぬきで！？ - セブルスが親だったら確かに厳しく育てられそうなイメージがあります。あっ、最近見始めました。ハリー大好きなので、ハリー落ち嬉しいです！今後の展開、ワクワクします(*^O^*) (2022年10月13日 18時) (レス) id: 658ba4281a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2022年9月4日 21時
