中原の覇王 part4 (ページ44)

今日:11 hit、昨日:13 hit、合計:7,429 hit

160話ページ44

六国が悪政で民心を失い、中華は秦によって統一されようとしている…Aはそういった意味も含めて、殷墟を受降の場とした

玲「私は図らずも、元帥の義父上や仲間達を害してしまいました。この罪は万死に値すると思っております…ですが、元帥はその恨みを水に流して、私達を迎えてくれました。このご恩に命を懸けて報いたいと思います」

『よく言ってくれた。秦の為に働けば、重く用いようぞ』

尚「最早、長城を守る軍はありますまい。今攻めれば容易に落とせましょう」

Aは長城攻めの命を下そうとする…そこに、知らせが入った

「大変です！趙軍が青歌を襲っており、陥落寸前となっています！」

この報を受けた司馬尚は、降伏した兵を預けるように頼む

Aは旧趙軍と共に、青歌の救援に向かった

昧「行けェい！趙を裏切った逆賊共を葬り去ってやれぇ！！」

昧広率いる趙軍の攻勢により、青歌は陥落しかける

司馬尚軍が到着すると、故郷の危機に堪えきれなかったジ·アガが特攻する

趙玲や司馬尚はこれを援護すべく、ほぼ全軍で突撃した

昧広は迎え撃つも、この軍は元々趙の正規軍である

あっという間に趙軍は木っ端微塵にされた

昧「怯むな！股婦の拓跋Aと裏切り者共を討ち取れば、褒美は思いのままだぞ！！」

だが趙軍は壊滅しており、昧広が号令をかけても戦いにはならなかった

最終的に、昧広は趙玲の矢で撃ち殺された

玲「これ以上、抵抗しない趙人を殺す気はないわ。だけど…秦の敵になるなら…誰であろうとも容赦しない！！」

この宣言に趙軍は怯え、邯鄲に敗走した

降伏したとはいえ、三大天達は趙に多少の未練があった

しかしこの戦以降、趙玲達は秦の中華統一に心から賛同し、その偉業に大いに貢献することになる

韓信に諌められた事もあり、前229年中の趙滅亡は諦めた

しかし趙が失ったものは、余りにも甚大であった

趙玲は孝成王時代末期から、有力な将軍として転戦しており、当然のことながら、軍事機密を含むコンフィデンシャルな情報を知っていた

この趙玲が秦に亡命したのだから、秦としては機密情報を知った上で、侵攻できる。

さらに趙中枢部の仲間割れで、趙軍内に大きく動揺が走った。

王都が正しいのか、趙玲が正しいのか…末端のものには全くよくわからなかった

また趙玲は王族のトップでもあり、内政の全てが流出したのだった

司馬尚と劉淵は地方の纏め役であり、これを排斥した趙は、地方からほぼ完全に見捨てられた