中原の覇王 part4 (ページ33)

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149話ページ33

出征の直前、秦の太源で反乱が起こった

太源は嫪毐の本拠地にもなった程であったが、元は趙襄子が知伯を滅ぼして趙国を建国した…謂わば、始まりの土地であったのだ

その為、趙を慕う民も多くいたのだ

それが嫪毐の残党と結びつき、反乱に至った

その為、蒙武と騰が楚と魏の戦線に張り付く一方で、王翦やAは自軍を率いて鎮圧に向かった

その翌日…趙軍50万は平陽に襲いかかり、5日で陥落させる

民は、南の鄴に逃亡した

趙は韓を脅して、10万の韓軍を強引に出兵させた

趙玲は劉淵に5万の兵で平陽の守りを任せると、自身は25万で轑陽を、司馬尚と洛亜完には30万の兵で鄴を攻めさせた

轑陽を守る東胡王の檀石槐は、激しく抵抗する

檀「我等の母上たる漢王と、叔父である秦王の為にも…この城を守り抜くぞォォォ！！」

鄴も、守将である辛勝が粘り強く抵抗した

尚「お前達は劣勢にある！何故そこまで抵抗するのだ？」

辛「趙に降伏した所で…元帥に付いていった下僕達と同じ目に遭わされるだけじゃないか！！それならば…最後まで抵抗して戦死したほうが…まだ人間らしく出来る！！」

尚「…！」

司馬尚は言葉を失った

一部の兵を纏めた王翦と章邯が、鄴の救援に訪れるも、司馬尚の完璧な陣容を見て唖然とする

実はこれが司馬尚の狙いで、鄴城外に秦の将軍を多く集め、鄴を落とした後にこれらを悉く討ち取るつもりだったのだ

遅れてからAが、飛信隊と楽華隊、玉鳳隊を引き連れてやってきた

『敵は？』

翦「30万はおり、陣容も完璧です」

『そうか』

章「面目ありません」

『それにしても…趙は飢饉に襲われているそうだが、兵士は飢えていないではないか。趙兵も飢え苦しまねば平等じゃないな』

Aは赫連勃勃と慕容垂、息子の拓跋珪に5万の兵で、趙軍の兵糧遮断を命じる

食糧難の趙は、一箇所の土地からの兵糧運搬に頼っていたのだ

これをAは一瞬で見抜いていたのだ

慕容垂達は甬道を攻撃し、敵の兵糧を絞らせる

完全に兵糧を断つ事は出来なかったが、趙軍の士気は何となく上がらなくなる

『さて…次は…』

信「元帥！なんか、火が起こせそうなところがある…ます！最初は俺にさせてくれ…さい！」

『ふむ…いいだろう！趙軍と韓軍を撹乱し、敵の完璧な陣形に軋みを産み出してこい！』

信「おお！！」

信の、天下の大将軍となっての初陣が幕を開ける

同時に…秦軍の大反抗が幕を開けようとしていた