中原の覇王 part4 (ページ4)

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120話ページ4

項燕はその後も、挑みかかる秦将を、片っ端から返り討ちにする

蒙武と騰が何とかしようとするも…

満「再会が早かったな…蒙武」
千「ヒャヒャヒャ！不完全燃焼の分、晴らさせて貰うぜ」
右「…」

什虎軍が建業の救援に到着し、蒙武と騰を容易に抑え込む

その間に、項翼と白麗、項燕の側近である桓温と祖逖が、指揮の取れない部隊を次々に葬っていく

それが更なる恐怖を呼び、見るも無惨な全面潰走となった

そこを側近の謝玄が散々に追撃し、40万の秦兵が睢水に追い詰められて殺された

その有様は、川の水がせき止められるほどであったという

政も昌文君と共に必死になって逃げた

建業に雪崩れ込む楚軍を見て、飛信隊は建業に急ぎ入った

その頃、建業の守りを任されていた、荊の王の英越と宋義が、太后と向を楚に引き渡して降伏してしまった

項燕は英越と宋義に会い、二人は弁明をするも、楚人は二人の振る舞いに憤っており、項燕はこの二人を斬首した

続いて、太后と向を引き出す

太后は死を恐れていなかったが、向は怖がる

燕「フン！バカ王の母親とその妾か！」

向「た、太后様…」

太「…」

燕「分かっておろうが、大罪は身内にまで連座する。恨むなら、自分の教育不足と見る目の無さを、恨むんだな」

太「ならさっさと殺せ！私は…この世に未練などない」

燕「太后と妾の首を刎ね、それを咸陽に送りつけろ！」

項燕が処刑を命じる

園「お待ち下さい」

燕「何か意見があるのか…李園」

園「秦王は、身内思いと聞きます。ここは殺さず、人質として、敵の精神を揺さぶるべきです。殺すのは、秦と漢を滅ぼしてからでも遅くありません」

燕「成程…それもそうだな」

一先ず、太后達は助命された

項燕は、政の捕縛を厳命する

秦と楚の戦争は、まさかの秦軍敗北という形に終わったのだ

必死で逃げる政は、何とか国境付近に辿り着く

そこに、飛信隊が合流した

殆どが傷だらけで、千人程しかいなかったが…

政「信！…生きていてよかった…！」

信「…すまねぇ政。建業を守ってた奴等が、太后と宮女を手土産に降りやがった」

政「何だと！？母上と向が…！」

貂「それに…兵も…40万が死んじゃったんだよ…！」

政「そ、そんな…(ああ…俺は誤った…！Aや尉繚、昌平君の諌めも聞かず、多くの将兵を死なせてしまい、家族までも敵に囚われてしまった…！何という…愚かな事をしてしまったのだ…俺は…！)」

余りの大敗北に、流石の政も深く絶望した