中原の覇王 part4 (ページ27)

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143話ページ27

成都攻防戦の後、六国はAの暴威によって青息吐息であった

その為、秦と国境を接する国は、比較的国力の高い趙国に支援を求めた

しかし…燕王喜は秦王室との人脈を活かし、漢王を承認すると、秦に人質を送った

「秦は虎狼の国と言います。そんな国に人質として向かわれる…ご心痛、お察し致しまする」

丹「なに、その心配は無用だ。私は趙で人質だった時、秦王とは遊び友達だったのだ。それに…奴が殺されそうな時は、私と尉繚が庇ってやっていたのだ。きっと、私に恩義を感じている事だろうよ」

「それを聞いて安心しました」

丹「奴は、憎しみが服を着ているような男だった。今はどうなっているかな」

丹は政に謁見する

政「秦王だ」

丹「お久しぶりです秦王様。前よりも逞しくなられて…」

政「申し訳ないが…俺は天下の王だ。馴れ馴れしい振る舞いは控えて貰いたい」

丹は衝撃を受ける

丹「…分かりました…以後気をつけます」

政「うむ」

政は丹に立場を分からせつつも優遇したが、丹は屈辱に取り憑かれ、以後政を憎悪するようになった

丹「父の体調が悪いとの事です。燕に帰国させて下さい」

政「どうしたものか…」

『烏の頭が白くなり、馬に角が生えたら帰国を許しましょう』

Aの言葉に丹が天を仰いで嘆くと、烏の頭は白くなり、馬に角が生えた

これにより、政は丹に帰国を許した

太子丹の帰国後、政はAにこう語る

政「アイツに多少の恩義はあったが、友とは思っていなかった…ずっとな」

『何故です？』

政「尉繚と違って…奴は俺が趙で凄惨な迫害と虐待を受けているのを見て、哀れんだ振りをして見下しており、哀れな俺に物を投げ恵んで、友人として接する自分に酔っているだけの男だ」

『成程…正解ですよ。奴みたいなのは…下手に出れば、集るようになります』

政はAの言葉に納得した

数日後、王猛がとある男を政に推挙してきた

韓「韓信と申します」

政「奴はどんな男だ？」

猛「韓信は品行が悪く、貪欲で好色な男ですが…軍略にかけては…名軍師孫臏でさえも敵いません」

政「ほう…ではその実力を見せてみよ」

韓「はい」

韓信はその軍略を披露し、政にその実力を認められる

政「うむ！気に入った！！お前にはAの軍師をしてもらおう」

韓信はAの軍師となり、様々な献策をする

これらはAの短所を補い、考えをさらに押し広げるものであった

この為、Aは韓信を甚だ寵遇するようになった