中原の覇王 part4 (ページ3)

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119話ページ3

政は、撃ち込まれた矢文を見た

内容は以下のものだった

"其方は今の国土を守るべきであった。それにも関わらず、更に領土を広げて民を苦しめる…気概があらば、城から出て決戦されたし"

政「昌文君、項燕の軍は幾らだ？」

文「恐らく、5万程かと…」

政「5万だと…！？正気の沙汰とは思えん」

政は勝ちを確信する

政「項燕に伝えよ。"望むところ也。天に変わって、秦王が相手する"とな」

緒戦では敗れた秦軍ではあるが、まだ圧倒的多数であったこともあり、政は余裕を持って戦に臨み、項燕と対峙する

燕「秦王！いるか！！」

政「おう、俺はここだ」

燕「その昔、秦王室と繋がりがあるか怪しい貴様が、身に余る秦王に即位しながらこれに満足せず、次々に他国を食い荒らす！これ以上見逃せば、国と民の禍となろう！貴様が3合戦えれば、兜を捨てて命乞いしてやろう。出来ぬのなら、その首置いていけ！！」

文「貴様…！！」

昌文君が怒るも、政が止める

政「ハハハ、それを匹夫の勇と言うのだ！いかに強がろうとも、天兵を防ぐことなど出来ぬ！」

燕「数と国力に頼っての大言壮語…そんなものを、俺達が恐れるとでも思っているのか！…やれ！楚軍の恐ろしさを、奴等に骨の髄まで刻み込んでしまえ！！」

項燕が秦軍に攻めかかる

政「かかれ！項燕を討ち取れ！」

ここに秦軍と楚軍の本格的な激突が始まった

守備隊20万を失ったとはいえ、まだ50万の兵がある

一瞬でケリが付くかに思われたが、項燕率いる楚軍は恐ろしいほど強く、秦軍は不利になっていく

不利を打開すべく、将達は項燕に挑みかかる

信「政の為だ…テメェは討たせて貰うぜ」
瘣「同じく」

最初に挑んだのは、信と平陽の戦いの功績で将軍となった羌瘣であった

燕「お前らは…翼が言っていた、例の飛信隊だな。どうだ？秦国など捨てて楚に来ないか？我が国は、君臣上下の関係が緩い…お前らには過ごしやすいと思うが」

信「生憎だが、俺は政を支える金剛の剣だ！秩序のない、テメェらハリボテの国に行く気はねぇよ」

羌瘣も項燕の勧誘を断る

燕「そうか…残念だ。なら敵のお前達には、ここで死んで貰おうか」

項燕は本気で信と羌瘣を殺しにかかった

陳「項燕！私が相手だ！」
耳「その首貰うぞ！」

燕「おう、陳余に張耳か。お前達に俺が討てるかな」

陳余と張耳が挑むも、陳余は項燕に一撃で殺される

それを見た張耳は、生きた心地なく逃げ出した