中原の覇王 part4 (ページ17)

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133話ページ17

咸陽を攻めようと、藍田の外に展開する合従軍

秦の滅亡は決まったかに思われた

しかし…

「何だ？雪！？」

「何だこの強風は！？」

「うぅう…寒い…！凍りつきそうだ…！」

秦国を有史上最大の大寒波が襲ったのだ

余りの寒さに、合従軍の武器は使用不能となり、兵は凍傷により使い物にならなくなる

そこで、切り札となる軍が咸陽から出撃する

恬「いくよ！寒さで動けない合従軍を、叩き潰す！」

それは、蒙恬率いる楽華隊10万であった

愛「合従軍のクソどもは木っ端微塵だ！！バラバラにしてやれ！」

「ヒッ…！」
「卑怯だぞ…！気候の変化に頼るなんて…！」

陸「バカか。存亡の掛かった殺し合いに、汚いもクソもあるか。そういうのを宋襄の仁(身の程知らずの情け)って言うんだよ！」

楽華隊が、藍田の外に展開し、寒波で動けなくなった合従軍を葬り去り、そのまま藍田の奪還に向かった

「クソ！こっちは寒さで死にそうなのに、向こうは平然としてやがる！」

秦軍は、Aが念の為に寒波へ備えた事もあり、寒さへの対策は万全だった

藍田の城壁は制圧され、秦兵が次々に雪崩れ込む

蒙恬は急速な勢いで、藍田を取り返していく

絶体絶命であった、飛信隊と玉鳳隊は、蒙恬と愛閃によって救援がなされた

温「項燕様、このまま城に留まっては全滅です。一刻も早く退却しましょう！」

燕「口惜しや…秦国め！！」

合従軍は次々に退却していく

翼「ざけんなよ！！せっかくここまで追い詰めたのに…！」

麗「退却するぞ翼！次に備えて、少しでも余力を残すんだ！」

他国の兵も退き出す

その時、瓦礫の中から、人が出てきた

『ぷはっ！…はぁはぁ…死ぬかと思った！』

項燕の一撃を喰らった、Aであった

楚兵が抱きついた事で、致命傷を免れていたのだ

『この寒さ…合従軍が退却…それなら！』

Aは自身の愛馬…朱兎に跨がり、退却する合従軍の背を討とうとする

城外で、殿の部隊を捕捉した

「拓跋A！？」
「バカな！？奴は項燕に殺された筈じゃ！？」

驚く合従軍を尻目に、Aは敵軍を討ち取っていく

斉の猛将、曹嶷を数合で討ち取り、中華十弓で、燕の将軍である仙手備を弓矢勝負で射殺した

そして…合従軍を藍田から駆逐し、100キロ以上押し返す

深い追撃は出来なかったが、その間に守りを固める事に成功したのだった

これを見て、六国の将は理解してしまう…短期での決着が不可能になった事に

藍田攻防戦

勝者…秦軍総大将拓跋A