7.※多少グロテスクな表現があります※ ページ9
そのまま懐に入っていたナイフを取り出し
相手に突き立てた
肉を貫く感触。
男はそれに抗うように銃口を私に向けて引き金を引いた
銃声とともに鈍い痛みが左腕を襲う
『っぅ…』
小さく悲鳴をあげる
が私はまだ意識のある男にトドメを刺すために
落とした銃を拾い
血の出ている左腕を抑えながら
男を撃った
返り血がべっとりと服や顔に着く。
今ではすっかり慣れてしまった血の匂いが
今日はやけに鼻についた
そのあと
息のある敵を全て片付けて工場を出た。
雨が酷くなっていた
___
幸い雨のおかげで服に付いた血は殆ど洗い流され
街を歩く一般人に気付かれることなく
無事に家に帰り着くことができた
腕の傷はかすり傷だったが、当たりどころが悪くまだ血が溢れるように流れていた
まずは腕の治療をするために救急セットを開け、
止血をする。
[怪我したなら直ぐに言えよー]
仁王立ちで少し怒った ように言う長男
[大丈夫か?動くはの辛くないか?]
その隣でいろいろと心配する次男
[うっわー痛そう、大丈夫?]
手当てをしながら心配そうに見つめてくる三男
[…ドジ]
と言いながらも手当を手伝う四男
[わー!血だー!大変だー!Aが死んじゃうーー!!]
その周りを走り回る五男
[これくらいじゃあ死なないよ十四松兄さん]
それを諭す六男
ふと頭に懐かしい思い出が蘇った
それは私が一番憎み。
そして愛する兄弟との思い出
止血が終わり包帯を巻く
巻いていた包帯にポタポタとシミが出来た
ぐいっと乱暴に目元を拭うが
それが止まることはなかった。
静かな部屋に嗚咽が響く
辛い。怖い。
そんな感情が私を支配した
これ以上殺したくない
人が死ぬのを見たくない
今まで押し殺していた思いが
一気に溢れ出て止まらなくなった
嫌だ。嫌だ
嫌悪感との罪悪感に押しつぶされそうになる
ああ
もういっその事
『死んでしまえたらいいのに』
。
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こたつ(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて光栄です!更新はもう少々お待ち頂けると嬉しいです (2016年6月1日 15時) (レス) id: 84292a694d (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - この作品とても心にきておもわずないてしまいました (2016年5月31日 20時) (レス) id: 99a581fe59 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ(プロフ) - エリカさん» コメントありがとうございます!テスト期間が終わり次第更新頑張ります!ありがとうございました! (2016年5月20日 1時) (レス) id: 84292a694d (このIDを非表示/違反報告)
エリカ - 更新頑張ってください! (2016年5月19日 23時) (レス) id: 516a27e0b4 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ(プロフ) - 黒猫さん» コメントありがとうございます!自分の作品で泣いてくださる方がいるなんて…!恐縮です…。これからもぼちぼち頑張っていきます!ありがとうございました! (2016年3月24日 18時) (レス) id: d698e139af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたつ | 作成日時:2015年12月24日 0時