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34.〜チョロ松side〜 ページ37

ガンガン車のスピードをあげ、カーチェイスのようにぐいぐいと前の車を追い抜いていく。





揺れる車内で、カラ松に聞いた怪我の様子からとるべき適切な処理を考えていた。





まず、完全に止血をしないと、
それから出血も多いみたいだし輸血も考えなきゃな


幸い、俺たちとAの血液型は一緒だ。



救急セットを開け、かなり本格的な医療用具を出し、輸血パックを用意した。




こんなに揺れる車内じゃ採血も出来ない。
これはあっちについてからか…







などと考えていると
ガタタンと、車が大きく揺れた。




驚いて顔をあげると、俺たちの乗っている乗用車がギリギリ通れるような狭い路地を猛スピードで走っていた




「おい!トド松、こっちの道じゃないぞ」


「はぁ?こっちの方が近いし!
チョロ松兄さんが知らないだけでしょ!
いいから黙って座ってて」









トド松が言うなら、恐らく近道で間違いないんだろう。

悔しいけど、地形なんかも僕よりはトド松の方が詳しい



ここはトド松に任せるとして、カラ松に連絡でも入れるか…



prrrrrr__prrrrrr___…


「もしもし、チョロ松か」

何度かのコールで、すぐに電話に出たカラ松



「ああ、今トド松とそっちに向かってるところだ」

「あと三分でつくよ!」

「もう少しでつくらしい。
Aの出血は止まったか」



「…っ、いや、まだだ、
少しずつ量は減ってきているが、止まる気配がない
どうすれば…」


「落ち着け、今止血剤も持ってく
あとは輸血もするから、採血を手伝ってくれ」

「!…分かった」




「あと、もう少しでつく!
チョロ松兄さん、準備して!」



「今つくから、すぐに採血できるように用意して」


「ああ、分かった」




ブツッ




通話が切れると同時に、廃工場の連なった地帯に入った。







「ここ?チョロ松兄さん。」


「ああ、僕は先にいく。
トド松は担架の準備して持ってきて。
採血したらすぐ運ぶから」


トド松は分かったと言い、それを見たあと
工場内へと足を踏み入れた




地生臭い臭いと鉄が錆びたような臭いに、吐き気を感じるが
何度も言うように、それどころではない。







早足で工場内を進むと人影が見えた


駆け足で駆け寄り、カラ松!と、叫ぶ。




僕の姿に気付いたカラ松は、こちらを振り返り、一瞬だけ安堵の表情を浮かべた。
が、すぐに不安そうに顔を歪めて

横たわるAの一番大きな傷を見つめた

35.〜カラ松side〜→←33.〜チョロ松side〜



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こたつ(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて光栄です!更新はもう少々お待ち頂けると嬉しいです (2016年6月1日 15時) (レス) id: 84292a694d (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - この作品とても心にきておもわずないてしまいました (2016年5月31日 20時) (レス) id: 99a581fe59 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ(プロフ) - エリカさん» コメントありがとうございます!テスト期間が終わり次第更新頑張ります!ありがとうございました! (2016年5月20日 1時) (レス) id: 84292a694d (このIDを非表示/違反報告)
エリカ - 更新頑張ってください! (2016年5月19日 23時) (レス) id: 516a27e0b4 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ(プロフ) - 黒猫さん» コメントありがとうございます!自分の作品で泣いてくださる方がいるなんて…!恐縮です…。これからもぼちぼち頑張っていきます!ありがとうございました! (2016年3月24日 18時) (レス) id: d698e139af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こたつ | 作成日時:2015年12月24日 0時

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