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31.〜カラ松side〜 ページ34

チョロ松に連絡を入れたあと。



しばらくAの嗚咽は絶えることはなかった。




しかし、だんだんと泣き声は小さくなり、やがて消えた





モニターには眉間にしわを寄せ
目が赤く腫れ、疲れ切ったように眠るAの姿があった。


モニターにそっと触れ、モニター越しのAの頭を撫でた。





胸が苦しくて変に頭が冴える





俺には何もできない。

泣いているAを抱きしめてやることも、
その涙を拭ってやることも、
ましてや、触れることすらできない。





あの時、誰よりも辛い思いをしたのは

他でもない。



Aなのだから。











カチカチと、備え付けの柱時計が針を進める音が響く




ゴーン、ゴーン。


と、静かだった部屋に響く
少し煩い鐘の音が午後6時を報せている




それと同時にバチンッ
という重々しい音と同時にモニターが部屋を写した。



そこに寝ていたはずのAの姿はない



衝動的に立ち上がりモニターを巻き戻す。




すると、数秒前のAがとても青い顔をして飛び起きていた。

そして、間も無く。
何かに追われるように部屋を飛び出した。


護身用の拳銃はテーブルに置かれたまま。






現状を把握し終わった俺は
急いで部屋を出た。





霧のような雨が降る中、ひたすらAを探すために走り回る。







ドクンドクンと心臓が激しく鼓動を打つ





路地裏を中心に駆け回り、隈なく探し回るが、
Aの姿は見つからない








長い距離を走ったせいか、僅かに息が切れてきたが、



ふと、足を止めた。







ドォン____



かすかに、銃声のようなものが聞こえた。








俺は、迷わずその銃声がした方向へと走った。









しばらく走ると
だんだんと人気のない廃工場の列なる地帯に入り込んだ。





銃声は、走るたびにだんだんと大きくなっていった









そして、ようやくたどり着いた工場では、



血が溢れ、死体が転がっていた。






全てが終わったその中心で彼女は立っていた。


そして、小さく何かをつぶやくと、力尽きたように崩れ落ちた

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こたつ(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて光栄です!更新はもう少々お待ち頂けると嬉しいです (2016年6月1日 15時) (レス) id: 84292a694d (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - この作品とても心にきておもわずないてしまいました (2016年5月31日 20時) (レス) id: 99a581fe59 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ(プロフ) - エリカさん» コメントありがとうございます!テスト期間が終わり次第更新頑張ります!ありがとうございました! (2016年5月20日 1時) (レス) id: 84292a694d (このIDを非表示/違反報告)
エリカ - 更新頑張ってください! (2016年5月19日 23時) (レス) id: 516a27e0b4 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ(プロフ) - 黒猫さん» コメントありがとうございます!自分の作品で泣いてくださる方がいるなんて…!恐縮です…。これからもぼちぼち頑張っていきます!ありがとうございました! (2016年3月24日 18時) (レス) id: d698e139af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こたつ | 作成日時:2015年12月24日 0時

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