アイドルアーヤが知っている 〜episode4〜

レン主演ドラマ撮影・和彦編 ページ13

〜〜翼と和彦もドラマ撮影に参加したとき・和彦編〜〜
和彦サイド

どうしよう...監督さんが僕と翼をレンの主演ドラマにキャストとして出て欲しいって言ってきた。
そのレンの主演ドラマは、今世間で注目の話題のドラマで、僕なんかがそのドラマに出演したら、悪目立ちしちゃうよ...翼はやる気満々で、どうしよう...

そんなことを考えていると、翼がレンに演技の質問をした。

翼「オ〜イ、レン！ここのとこの役のとこ、どういう風な感情で演じるの？」

すごい、翼は演技をする役の気持ちを考えてたんだ...初めてなのに、そんなことにも気をつけてたんだ...

あまり間もなくレンが質問に答えた。

立「ここは、芸能人のファンでいう、自分がファンの芸能人を見かけたときの感情。つまり、驚きともう死んでもいいって位の喜びみたいな感情でやるの。試しに私がやってみると...」

そこで、レンが試しにその部分は台詞が無いけど、そぶりだけを演じた。
その瞬間、手を動かしていたスタッフ全員手を止め、レンの演技に注目した。
レンが演技をやめると拍手が一斉におきた。

僕は、レンの演技を間近で見て、とても感動した。

小「すごい...台詞が無いのにみんなの目を集めて、その世界に入り込んでる。しかも、感情まで伝わってくるこれ以上に無い演技だ。」

ほんとにそう思った。
翼が質問した場面は、主演のレンのヒロイン役の子が、男なら誰しも惚れてしまってもいいほどの綺麗な子で、人気のモデルという設定の子を見かけたときの場面だった。
台詞が無く、主演のレンのヒロイン役の子を驚きともう死んでもいいって位の喜びみたいな感情の目で見るような演技をしてみせた。
その演技は、周りの人全員をドラマの世界の中に巻き込むほどの演技だった。

翼「こんなにすごい演技を本番前にやられちゃ、俺が演技を頑張っても、それを超えられないじゃん！」

確かにそう思う。僕はまだしも翼や演技のすごい俳優さんや女優さんでも、その演技を超えることは出来ないだろう。

立「そんなことないよ。褒めすぎだってば!っとまぁこんな感じの演技かな？ほら、スタッフの皆さん、手が止まってますよ？手を動かしてください。撮影遅れますよ？」

そう言って、周りにいたスタッフ全員は、その言葉で我に返り、止めていた手を動かした。

レンの演技はお世辞でも何でも無く、ほんとのことだった。

僕らもあそこまでいかなくとも、あんなふうになれるのかな･･･いや、なろう。
僕はこのとき、決意をした。

荒巻さんからの『嬉しい重大発表』→←レン主演ドラマ撮影・実沙編

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