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万事屋(主に神楽ちゃん)の活躍ぶりは目覚ましいもので、あれよあれよという内に引越しの片付けが終わってしまった。
その速さは引越し業者の面潰れだと思われる。
特に重いものを一人で運べてしまうのはかなりハンデがあった。
「万事屋さん本当にありがとうございます」
私は作業が終わった皆さんにお茶を出していた。
特に手作りのレモンパイはかなりの好評だった。
「いえいえ。4人でやったから早く片付いただけですよ。桜木さんにも手伝ってもらっちゃってこちらこそありがとうございます」
「……こっちへ引っ越して一週間は経つのに何もやれてなくてお恥ずかしいです」
「このレモンパイが作れたから恥ずかしがることは何もねえよ。はい、おかわり」
根拠の無い発言だったが思わずクスッと笑ってしまった。
こんなに美味しそうに食べてくれるのならもっと大きめの作れば良かったかな。
最初はしんちゃんに前に作った時不評だったから、少し作るの躊躇ったんだ。
「せんせーはこの家一人で住んでるアルか?」
「ううん。お付き合いしてる人と一緒に住んでるんだよ」
「彼氏は仕事行ってるアルか?」
嘘でもいいから即答すれば良かった。
私は返答に言葉を詰まらせてしまう。
"無職"だなんて、口が裂けても言いたくなかった。
しんちゃんのことを世間の人に話すのには抵抗がある。
決してしんちゃんは自信を持って素敵な人とは言いきれない。
そんなこととうの昔から分かっていた。
それでも私がしんちゃんを支えなきゃいけなかった。
しんちゃんのこと、一番に理解してるのは私だけで良いの。
それはただの独占欲でしかないかもしれないけど、それが私の愛の形だった。
「うーんと、今日はちょっと用事で外にいるかな」
「せんせーは仕事ないアルか?」
「私は午後から行くつもりだよ」
坂田さんは私の曇りがかった表情を見逃さなかった。
私と神楽ちゃんが話している時、鋭い眼差しが私に向けられていた。
もちろんこの時の私はそんなことは気づいていなかったけれど。
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凛 - とても良かったです!ゆっくりでもいいので更新待ってます! (2022年12月17日 17時) (レス) @page37 id: 0db889cc25 (このIDを非表示/違反報告)
のん@天使から墮天使(プロフ) - 瑠々亜さん» 返信、ありがとうございます!とういうことでしたか…なるほど。頑張ってください!応援してます! (2019年9月2日 20時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - のん@天使から墮天使さん» コメントありがとうございます。ちゃん呼びはただの愛称なので深い意味はないです(><)更新頑張ります! (2019年9月2日 14時) (レス) id: d64c66c7f1 (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - 亜水さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けてとても嬉しいです(><)更新頑張ります! (2019年9月2日 14時) (レス) id: d64c66c7f1 (このIDを非表示/違反報告)
のん@天使から墮天使(プロフ) - 最初自意識過剰かなと思ってしまったけど…読んでみて良い話!夢主はなんで恋人のことを[〜ちゃん]と呼んでたのか知りたい…。夢主、辛いだろうなぁ…僕は恋人なんぞ居ないから分からんが…別れてしまえ((酷い 銀さんとくっ付けぇぇぇ(( 更新頑張ってください! (2019年8月25日 22時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠々亜 | 作成日時:2019年8月17日 21時