検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:33,260 hit

19 ページ19

時刻は真夜中の2時。
今日も普通に朝から仕事。
それでも私はいつもみたいに寝ないで、私は静かにリビングでしんちゃんの帰りを待っていた。
すると数分後に玄関から物音がした。
どうやら只今ご帰還したみたい。



「………うわっ!!なんだよ起きてんなら電気つけろよびっくりしたな…」



しんちゃんはリビングに入り、私の存在に気づいて声を上げた。
でもいそいそと部屋を出ようとする。
電気つけないんだね。
そんなに私の顔を見るのが嫌?
それとも明るくしたらまずいことでもあるの?



「しんちゃん、ちょっと座って」



私の言葉にしんちゃんは背を向けたまま止まった。
振り返らず、ため息まじりに言った。



「………悪いあとでにしてくんね?俺疲れてるし先にシャワー浴びたい」



しんちゃんは何に疲れたの?
私今日午前中は引越しの片付け終わらせてそのまま仕事行ってきたよ。
帰ってきてからは洗濯も掃除も全部した。
しんちゃんはどこ行ってたの?

私は静かに立ち上がった。
しんちゃんの側まで行くと暗がりでもその引き攣った顔が見える。
後ろめたいことあるときのしんちゃんの顔だ。



「……なに?」



それでもしんちゃんはしらを切るつもりみたい。
私に威圧的な表情を向けてくる。
それに身体から漂う甘い香水の匂い。



「臭い」



「え?」



「しんちゃん煙草の臭いすっごいするよ。ちゃんとシャワー浴びて洗濯物出してよ」



「……分かってるって」



しんちゃんはそのままリビングから出て行った。
取り残された私は無気力な笑みを浮かべ、その場にうずくまった。

そんなことを言いたいんじゃないよ。
煙草の臭いもやだけど、それ以上に甘い香水の方が嫌だ。
臭い、嫌い。

ねえしんちゃん。
今日も仕事しないでどこで誰と何をしていたの?
私のお金を何に使ったの?
なんで唇の横に口紅の跡がほんのり残ってたの?

しんちゃんへの不満は沢山ある。
でもそれを言えば止まらなくなって次から次へと出てきてしまうだろう。
そしてそれ以上にね、怖いんだ。
怖くて怖くてしんちゃんに言えないの。
しんちゃんに嫌われてしまうのが、一番恐ろしい。

20→←18



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (71 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
176人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 真選組 , 万事屋
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- とても良かったです!ゆっくりでもいいので更新待ってます! (2022年12月17日 17時) (レス) @page37 id: 0db889cc25 (このIDを非表示/違反報告)
のん@天使から墮天使(プロフ) - 瑠々亜さん» 返信、ありがとうございます!とういうことでしたか…なるほど。頑張ってください!応援してます! (2019年9月2日 20時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - のん@天使から墮天使さん» コメントありがとうございます。ちゃん呼びはただの愛称なので深い意味はないです(><)更新頑張ります! (2019年9月2日 14時) (レス) id: d64c66c7f1 (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - 亜水さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けてとても嬉しいです(><)更新頑張ります! (2019年9月2日 14時) (レス) id: d64c66c7f1 (このIDを非表示/違反報告)
のん@天使から墮天使(プロフ) - 最初自意識過剰かなと思ってしまったけど…読んでみて良い話!夢主はなんで恋人のことを[〜ちゃん]と呼んでたのか知りたい…。夢主、辛いだろうなぁ…僕は恋人なんぞ居ないから分からんが…別れてしまえ((酷い 銀さんとくっ付けぇぇぇ(( 更新頑張ってください! (2019年8月25日 22時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:瑠々亜 | 作成日時:2019年8月17日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。