こんなにも胸は苦しいんだ【坂田銀時】

9 ページ9

急遽土方さんは近くのお店で強盗事件がありそちらに向かわなければなら無くなった。
私一人でも良かったが昨日のお詫びということで土方さんと交代して天パの男性こと坂田さんが案内をしてくれることになった。

土方さんと坂田さんの関係性は全く知らないけど案内を任せる時土方さんはとても申し訳なさそうにしていたし、坂田さんに何やら色々と注意して現場へ向かった。
そして今私は坂田さんと2人で商店街を歩いていた。



「んでもってここが野菜一番安いところ。最近野菜も高ぇからスーパーなんかより八百屋のが良いぞ」



「あ、ほんとだ。昨日スーパーで見た時よりもずっと安いです」



坂田さんは随分とお店の様子に詳しかった。
多分土方さんより坂田さんの方がこういう所へ来るのかもしれない。
さっきも飲み屋のオススメ聞いたらたくさん教えてくれた。

初対面の時から飲んだくれていたしお酒好きな人なのかも。
まあ私は別に自分が飲むわけではないけどしんちゃんが好きそうだから聞いてただけ。
しんちゃん"こっち"ではどこで飲んでるんだろうね。



「桜木は一人暮らし？」



「いえ、同棲しているので」



「わりと自炊する方？」



「そうですね。仕事で忙しくない時はなるべく自炊するようにしてます」



坂田さんと話してて感じることはとても気さくな人だということ。
初対面で間もない人とプライベートで話すのって結構緊張するけど坂田さんに対してはそれが一切ない。

それに街行く度に坂田さんは知り合いと出くわしている。
ここだとかなり顔の広い人なのかも。



「ここ俺のオススメの甘味処。特に水ようかんがめっちゃうめぇの」



「水ようかんって絶対美味しいじゃないですか。食べてみたいです」



「時間まだ余裕ある？良かったらお詫びのひとつとして奢るわ」



「え、いいんですか？」



「よし、決まりな」



坂田さんはそのまま慣れた様子で入店した。
店内は外よりも涼しくて心地よい。
ちょうど小腹が空いてきたからタイミングも良かった。

10→←8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す