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上京して一週間が経った。
今日私は休日で、まだ玄関にも引越しのダンボールが積み重なっている。
この一週間私は仕事でなかなか手が回らなかった。
けどしんちゃんは違う。
「しんちゃん、もう夕方だよ。そろそろ起きなよ」
夕方になってもしんちゃんは起きない。
しんちゃんは朝までゲームしたりどこかにふらりと出かけたり。
上京して環境が変わってもしんちゃんは変わらなかった。
「………はぁ」
私はリビングに行ってしんちゃんが脱ぎ散らかした衣類をカゴに入れた。
ズボンのポケットには小銭が沢山入っている。
タバコは身体に悪いから程々にして欲しいけど、相変わらずのヘビースモーカー。
「…ん、A…」
しんちゃんはようやく起きてリビングに来た。
しんちゃんはソファーに座ると、私にも隣に座るようにトントンとソファーを叩いて促した。
「しんちゃん。あんまり寝すぎても身体に良くないんだからね」
「分かってるって」
「昨夜も遅かったみたいだけどどこ行ってたの?」
「……あー、ちょっと飲みに行ってて」
最後にしんちゃんと一緒に寝たのはいつだろう。
そういえば私って抱かれてもない。
しんちゃん、次はいつ一緒に寝て抱いてくれるの?
「A、ごめんな」
私が俯いているとしんちゃんは私の頭を撫でた。
しんちゃんに撫でられるの、好き。
しんちゃんの優しい声も、全部、全部。
「今日は一緒にいてくれる?」
「もちろん。俺にはAだけだし」
「……そっか。大好きだよしんちゃん」
「俺も大好きだよ」
しんちゃんはそう言って私を抱きしめた。
でもね、心はここに非ずって状態なんだ、私。
しんちゃんのその愛の囁きは本心なのかな。
私だけって本当に思ってくれてるのかな。
でも、分かってるよ。
しんちゃんだけが悪いんじゃない。
仕事で構ってあげられない私も悪い。
こんなにも胸が苦しいのは多分、しんちゃんのことを愛しているから。
ずっとずっと傍にいたい。
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凛 - とても良かったです!ゆっくりでもいいので更新待ってます! (2022年12月17日 17時) (レス) @page37 id: 0db889cc25 (このIDを非表示/違反報告)
のん@天使から墮天使(プロフ) - 瑠々亜さん» 返信、ありがとうございます!とういうことでしたか…なるほど。頑張ってください!応援してます! (2019年9月2日 20時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - のん@天使から墮天使さん» コメントありがとうございます。ちゃん呼びはただの愛称なので深い意味はないです(><)更新頑張ります! (2019年9月2日 14時) (レス) id: d64c66c7f1 (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - 亜水さん» コメントありがとうございます。そう言って頂けてとても嬉しいです(><)更新頑張ります! (2019年9月2日 14時) (レス) id: d64c66c7f1 (このIDを非表示/違反報告)
のん@天使から墮天使(プロフ) - 最初自意識過剰かなと思ってしまったけど…読んでみて良い話!夢主はなんで恋人のことを[〜ちゃん]と呼んでたのか知りたい…。夢主、辛いだろうなぁ…僕は恋人なんぞ居ないから分からんが…別れてしまえ((酷い 銀さんとくっ付けぇぇぇ(( 更新頑張ってください! (2019年8月25日 22時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠々亜 | 作成日時:2019年8月17日 21時