私だけを、愛してほしかった

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仕事は別に嫌いじゃない。
まあ好きかと聞かれるとちょっと違うけど、暇でいるよりはマシって感じ。
それに私は真面目じゃないからサボりつつ息抜きしながら出来てるし。




「A、今日は病院行くんだよな？」




玄関で声をかけてきたのは近藤さんだった。
私は今、仕事よりも嫌いな任務を課せられている。
本当にだるい、行きたくない。




「何か用ですか？」




「俺も付き添おうと思ってな」




近藤さんがついてくるのもだるい。
でも、1人で行くよりはマシかな。
"1人"だったら何をするかわかんないし。




「分かりました。行きましょう」



「おっと、その前にちょっと便所済ませてきていい？」



「どうぞ」




病院へ行くのは2ヶ月ぶりかな。
前に行った時は総悟が一緒だった。
薄々感じてはいたけど、私1人では決して行かせようとはしない。

まあそりゃそうだよね。
自分でも何するかわからないんだし、みんなが警戒するのは当たり前。




「副長〜〜！！！これ言われてた調査報告書です！」



中庭から土方さんを呼ぶ山崎の声がした。
私は何となくそっちに顔を向ける。
土方さんは、怖いとは言われながらもみんなに慕われている。

律儀で真面目で、部下思いの熱い男。
土方さんは本当に素敵な人で、だから外に行けばたくさんの女性からモテる。

じゃあ私は？
私は一体どんな肩書きがあるの？
私にあるのは淫乱、痴女、ヤリマン、ビッチ。
本当にくだらなくて、彼とは非対称すぎる。

本当につり合うのは妹の方だ。
そんな妹は────────今、病院にいる。

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