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"純愛"って言葉を聞くとすごくイライラした。
どうして自分だけを生涯をかけて、ずっと好きでいてくれるなんて思えるの?
人の愛は簡単に変わる。
純粋な気持ちなんて一瞬で消え去る。
だから、"純愛"という言葉に浸ってる人を見ると本当に愚かしい。
かつての私がそうだったように。
「銀さんはさ……私を抱いている時なに考えてる?」
一通りの行為が終わり、私たちは同じ布団で寝ていた。
私は銀さんに背を向けていて、銀さんは天井を見上げている。
セックスが終わったあと、私たちが絡み合うことなんてないしその必要もない。
それなのに感想を求めているのはちょっと不気味かもね。
多分、これには意味なんてない。
私の心は空っぽで、何かで埋めたくて必死になっていた。
「今日はちょっとイクのがはえーなって思った」
「……今日の話じゃなくて」
「わーってるよ。冗談だっての」
銀さんは考えるようにうーん、と言葉を出して呻いた。
考えを絞り出しながらそれを伝える。
「セックスってやっぱ気持ちいいよなーとか、明日の夕飯どーすっかなーとか、案外くだらねぇことしか考えてねぇかも」
つまり銀さんと私は同じだ。
愛のないセックスについて抱くのなんて、その行為の罪悪感でも満足感でもない。
本当にただ欲求を満たして、日常のことを考えているだけ。
だからこそ私たちの関係は成り立っているんだと思う。
────────あの頃の私なら、絶対に考えられなかった。
彼以外の男に抱かれることも、愛のないセックスをすることも。
「ところで、こんなこと聞いてくるってことはなんかあったんだよな?」
「別にあるわけないでしょ…」
「ふーん。まあ俺たちはあくまで体だけの関係だし相談乗る義理もねぇけど」
銀さんは何を言うつもりなのかな。
私は寝返りうって銀さんに向き直った。
銀さんは頬杖をつきながら私を見つめていた。
「お前さ、もっと素直になりゃ良いんじゃね?意地張ってやけになってんだろ?」
銀さんと話すのは本当に嫌いだ。
銀さんは私のこと、あの人よりも見透かしている。
私はよくあの人のことを素直じゃないと言うけれど、それは私も同じだった。
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マヨネーズライダー(プロフ) - 何回も読み返してます。切ないですね。これからも読み続けます (2021年2月14日 1時) (レス) id: 01ab9bdc45 (このIDを非表示/違反報告)
えいたん(プロフ) - とても引き込まれる作品です!更新楽しみにしてます! (2019年8月21日 4時) (レス) id: 8f70e4d35f (このIDを非表示/違反報告)
ノイズ(プロフ) - 最高です!ハピエンでもバットエンドでも絶対面白いですね!更新あれば楽しみです! (2019年7月6日 18時) (レス) id: c4f6a2aaa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠々亜 | 作成日時:2019年6月27日 0時