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久しぶりに訪れた蔵はあの頃の感覚とまるで違う。
この箱庭で土方さんと過ごす時間が本当に好きだったことを思い出した。

でもね、私たちの間に亀裂が入ったその瞬間から、この箱庭は消えた。
土方さんと過ごした時間が憎しみに変わった。




「どうすれば……お前は俺を許してくれる?」



蔵に入った私は土方さんに押し倒されていた。
顔を歪め、切ない表情で許しを懇願する土方さん。
こんな顔、他の人たちが見たらどう思うだろうか。




「許したらなに?自分が楽になりたいだけでしょ」




土方さんにとってはたった一回の、"軽はずみ"な行為だったと思う。
"本気"じゃなかった。
例えそうだとしても、私はその一回が決して許せなかった。

私はブラウスのボタンを外した。
土方さんの目が見開かれる。
私の身体にはたくさんの紅印があるから。




「ほら、はやく犯しなよ。あの日妹を抱いた時のように」




今でもあの日のことは脳裏に焼き付いている。
部屋の外から見えた2人の淫らな姿。
妹は"女"となり、いやらしい声で喘いでいた。
土方さんも罪悪感を感じながら、顔を歪めて動いていた。

そこにいたのは性欲に飲まれた"獣"の姿。
私の知っているセックスが、まるで子どものように感じた。



「考えなくていいよ。頭では分かっていても、身体はもう反応してるんでしょ?」




それは私のよく使う言い訳。
ほらね、やっぱ便利じゃん。
私は土方さんの背中に腕を回した。

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マヨネーズライダー(プロフ) - 何回も読み返してます。切ないですね。これからも読み続けます (2021年2月14日 1時) (レス) id: 01ab9bdc45 (このIDを非表示/違反報告)
えいたん(プロフ) - とても引き込まれる作品です!更新楽しみにしてます! (2019年8月21日 4時) (レス) id: 8f70e4d35f (このIDを非表示/違反報告)
ノイズ(プロフ) - 最高です!ハピエンでもバットエンドでも絶対面白いですね!更新あれば楽しみです! (2019年7月6日 18時) (レス) id: c4f6a2aaa5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠々亜 | 作成日時:2019年6月27日 0時

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