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私には双子の妹がいた。
妹は私とよく似ていたけど中身はまるで違う。
気配りもできるしおしとやかで頭も良かった。
出来損ないの姉とは似ても似つかない。
顔もそっくりなのに、共通点はそれだけ。
でもね、私は妹が好きだったよ。
「お姉ちゃんお姉ちゃん」って、いつも私を慕ってくれていた。
あらゆる能力は全て妹の方が長けているのにそれを鼻にかけることもなければ決して私を馬鹿にしなかった。
何も出来ない姉だったけど、それでも妹は私の後をついてきてくれた。
「私ね、土方さんが好きなんだ」
初めて抱いた恋心を私は妹に話した。
妹はそれを聞いたとき驚いていたけれどすぐにおめでとうと喜んで応援してくれた。
私はどこまでも最低な人間だよ。
だって、それは妹に伏線張るために言ったんだから。
胸の内を話した、なんて言えば聞こえは良かったかもしれない。
私は知っていたんだよ。
妹も、土方さんが好きだって。
それでも妹にはその自覚がなかった。
だから私の話を聞いて一瞬戸惑っていたよね。
けど妹は私と違って優しいから、自分ではなく私の恋を優先した。
顔は瓜二つなのに中身はまるで違う。
内面は人相に出るなんて言うけどまさにその通りだ。
妹はとにかく沢山の人から愛されていた。
私はそんな妹が大好きで────嫉妬していた。
だから、意地悪のつもりで言ってやったんだ。
私ばかり不公平だもん。
自業自得だけど、そうやってひとに何かを擦り付けなきゃやってられない。
それでもね、土方さんだけは違ったの。
皆は私じゃなくて妹を選んでいたいたのに、土方さんは私を選んでくれた。
私にはいいところなんて何一つないと思っていたけど、土方さんは私の知らない私を見抜いてくれていた。
本当に本当に嬉しかった。
土方さんさえいれば私は何もいらなかった。
妹よりも劣る私を、他に誰が愛してくれるんだろう。
真選組ではなく土方さんのために私は忠誠を誓った。
────────でも、結局は土方さんもその他大勢と何一つ変わらなかった。
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マヨネーズライダー(プロフ) - 何回も読み返してます。切ないですね。これからも読み続けます (2021年2月14日 1時) (レス) id: 01ab9bdc45 (このIDを非表示/違反報告)
えいたん(プロフ) - とても引き込まれる作品です!更新楽しみにしてます! (2019年8月21日 4時) (レス) id: 8f70e4d35f (このIDを非表示/違反報告)
ノイズ(プロフ) - 最高です!ハピエンでもバットエンドでも絶対面白いですね!更新あれば楽しみです! (2019年7月6日 18時) (レス) id: c4f6a2aaa5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠々亜 | 作成日時:2019年6月27日 0時